高橋篤夫の業界最前線

大綱では、最後の検討事項の13番目に盛り込まれた「税理士制度」の見直し。「関係者等の意見も考慮しながら、税理士法の改正を視野に入れて、その見直しに向けて引き続き検討を進める」とされた。
今回も「検討事項」となった税理士法改正だが、この税制改正に向けて再燃していたのが、公認会計士への税理士資格付与に関しての、税理士と公認会計士の業際問題である。
日本税理士会連合会(日税連)サイドでは税理士法改正の必要性を訴え、昨年9月には「税理士法に関する改正要望書」を、国税庁長官および財務省主税局に提出している。これは公認会計士・弁護士に対する税理士資格の自動付与を見直し、「税務に関する専門性を問う能力担保措置を講じるべきである」ことを改めて要望したもの。
現在の税理士法による税理士資格自動資格付与制度は、税務代理士(税理士)の数が極めて少なかった戦後のシャウプ勧告に基づくもの。「改正要望書」ではこの自動付与されている二つの士業に対し、「弁護士にはすべての会計科目(会計学に属する科目)を、公認会計士には法律科目(税法に属する科目)の3科目合格を条件とすべきである」と結論付けた。
日本公認会計士協会は、これにすぐさま反発。山崎彰三会長前で「公認会計士が税務業務を行うための専門的能力は、その資格取得に当たり租税法に関する試験科目に合格することで確認されており、また、資格取得後も自己研鑽を続けていることを踏まえれば、改めて税務に関する専門性を問う能力担保措置を講ずる必要性は全くない」と、真っ向から反論する会長所感を発表した。また税理士法改正の反対署名を会員・準会員の75%以上から集め、国会議員に向けた説明も行い、徹底した反対運動を展開した。
この業際問題、税制調査会(税調)で論じられたことで、業界内の“ゴタゴタ”という印象を強めてしまった感がある。税調での厳しい指摘は税理士業界にとっては思わぬ誤算だったに違いない。
こうした経緯を経て3年連続の「検討事項」となった税理士法改正問題だが、税理士業界としても、ある程度こうした反論は予想していたはず。これが、改正要望書提出が公認会計士協会との調整をしたうえでのことであれば、また違う結果が出ていた可能性もある。
いずれにせよ、また今回も「検討事項」とされた税理士法改正。根強くある資格取得方法に絡んだ業際問題の着地点はどこにあるのだろうか。

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