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掲載日:2018-12-05

【パワハラ防止義務化へ】今後、パワハラ対策として取り組むべきことは?

最近、報道等でパワハラ関連の事件を見聞きする機会が増えたな、と感じている方も多いのではないでしょうか?ある調査によると、労働者側からのパワハラ相談件数は、ここ15年のうちに10倍以上に増加しているとのこと。こうした背景を受け、政府は「第11回労働政策審議会雇用環境・均等分科会」において、職場でのパワハラ防止措置を各事業場に義務付ける方針を示しました。

【そもそも「パワハラ」とは?】

ひと口に「パワハラ」といっても、その実態は様々です。厚生労働省によるパワハラの定義は、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」です。具体的な事例として、下記の6類型が想定されています。

1. 身体的な攻撃
叩く、殴る、蹴るなどの暴行を受ける。丸めたポスターで頭を叩く。
2. 精神的な攻撃
同僚の目の前で叱責される。他の職員を宛先に含めてメールで罵倒される。必要以上に長時間にわたり、繰り返し執拗に叱る。
3. 人間関係からの切り離し
1人だけ別室に席をうつされる。強制的に自宅待機を命じられる。送別会に出席させない。
4. 過大な要求
新人で仕事のやり方もわからないのに、他の人の仕事まで押し付けられて、同僚は、皆先に帰ってしまった。
5. 過小な要求
運転手なのに営業所の草むしりだけを命じられる。事務職なのに倉庫業務だけを命じられる。
6. 個の侵害
交際相手について執拗に問われる。妻に対する悪口を言われる。

参考:厚生労働省『あかるい職場応援団/パワハラの6類型』
https://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/foundation/pawahara-six-types/

【企業に義務付けられる「パワハラ防止措置」、どう対応すべきか?】

職場で問題となるハラスメントには、パワハラの他にも「セクハラ」や「マタハラ」が挙げられます。これらに関しては、いずれも既に法律で「企業における防止措置」が義務付けられています。よって現状、ハラスメントの中ではパワハラのみが法規制を受けない形となっています。こうした背景から、政府は2019年にも「パワハラ防止措置」を盛り込んだ法案提出を目指しています。

「パワハラ防止措置」が義務付けられると、企業にはどのような取り組みが求められるのでしょうか?労働政策審議会分科会で配布された「女性の活躍の推進及びパワーハラスメント防止対策等の在り方について(取りまとめに向けた方向性)」によると、事業主が講ずべき措置の具体的内容は下記の通りとされています。

・事業主における、職場におけるパワーハラスメントがあってはならない旨の方針の明確化や、当該行為が確認された場合には厳正に対処する旨の方針やその対処の内容についての就業規則等への規定、それらの周知・啓発等の実施
・相談等に適切に対応するために必要な体制の整備(なお、本人が萎縮するなどして訴えられない例もあることに留意すべきこと)
・事後の迅速、適切な対応
・相談者・行為者等のプライバシーの保護等併せて講ずるべき措置

参考:厚生労働省「第11回労働政策審議会雇用環境・均等分科会」/【資料3】
女性の活躍の推進及びパワーハラスメント防止対策等の在り方について(取りまとめに向けた方向性)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_02376.html

【「パワハラ防止策」具体的な検討手順は?】

今後、御社で「パワハラ防止策」の検討を進める上で参考にしたい資料に「パワーハラスメント対策導入マニュアル(第3版)」が挙げられます。こちらは『あかるい職場応援団』で公開されています。本マニュアルには、パワハラ防止策を講じる上での手順の他、社内でパワハラが発生した際の実際の対応例も紹介されています。現状、「まだ何もできていない」「何から手を付けて良いか分からない」という場合には、まず下記より資料をダウンロードしてください。

参考:厚生労働省『あかるい職場応援団/パワハラ関係資料ダウンロード』
https://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/jinji/download/#pawahara_manual

併せて、「職場のパワーハラスメント予防・解決 取組みリスト」を元に、各段階において取り組むべき事柄を洗い出していく作業にも着手しましょう。

万が一に備え、対応策を準備しておくことが「事業主責任」となります。「うちでは、パワハラなんてないだろう」と考えている事業所でも、今後は「何ら対応せず」ではいられません。この機会に、既存の服務規律に関する規定の内容も踏まえ、今のうちから考えていきましょう。

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