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掲載日:2019-02-13

対応は万全ですか?「同一労働同一賃金」対策に役立つ、取組手順書の活用のススメ

皆様、「同一労働同一賃金」への対策は、順調に進んでいますでしょうか?大企業では2020年4月から、中小企業では2021年4月より適用とされており、「まだ対応に追いついていない」という事業所も多いのではないかと思います。

とはいえ「同一労働同一賃金」への対応は、一朝一夕で万全となるものではありません。そこで政府より公開された「パートタイム・有期雇用労働法対応のための取組手順書」を参考に、「同一労働同一賃金」の実現に向けた具体的な対応を考えていきましょう。

参考:厚生労働省「パートタイム・有期雇用労働法対応のための取組手順書」
https://www.mhlw.go.jp/content/000467476.pdf

【そもそも「同一労働同一賃金」の目的とは?】

「同一労働同一賃金」の大原則は、「正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の禁止」です。具体的には「パートタイム労働者」「有期雇用労働者」「派遣労働者」といった非正規労働者について、下記の2点に関わる整備を行う必要があります。

(1)不合理な待遇差をなくすための規定の整備
同一企業内において、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間で、基本給や賞与などの個々の待遇ごとに、不合理な待遇差を設けることが禁止されます。使用者は「均衡待遇規定(不合理な待遇差の禁止)」「均等待遇規定(差別的取扱いの禁止)」の観点から、「職務内容(業務の内容+責任の程度)」「職務内容・配置の変更範囲」を考慮の上、非正規労働者に対する適切な待遇の確保に努める必要があります。

厚生労働省「働き方改革関連法が成立しました(pdf)」によると、パートタイム労働者にも「均衡待遇規定」の改正により、規定の解釈の明確化が必要になっています。また、有期雇用労働者や派遣労働者にも「均等待遇規定」と「ガイドライン」には規定が定まっていなかったのに対し、改正後規定を定めるよう変わっています。

※参考:厚生労働省「働き方改革関連法案が成立しました」
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/000304383.pdf
※改正前および改正後に違いについて、わかりやすい表が掲載されています!

(2)労働者に対する待遇に関する説明義務の強化
非正規労働者から「正社員との待遇差の内容や理由」などの待遇について説明を求められたとき、使用者は説明義務を果たさなければならなくなります。前述の「働き方改革関連法が成立しました(pdf)」では、パートタイム労働者・有期雇用労働者・派遣労働者に対し「待遇差の内容・理由」の提示を求められたとき、説明義務の規定は必要ありませんでした。しかし、改正後はどの労働者に対しても説明をするように義務付けられています。

また、有期雇用労働者に関しては、「雇い入れ時の待遇内容」や「待遇決定に際しての考慮事項」の説明を求められた際にも説明義務の規定が定められました。

【「同一労働同一賃金」対策はどう進める?】

「同一労働同一賃金」について概要や必要性を理解できても、「具体的に何から着手すれば良いのか」と悩んでしまう方も多いかもしれません。そうした方はまず、このたび公開された取組手順書を元に、現場で取り組むべき6つの手順を確認しておきましょう。

参考:厚生労働省「パートタイム・有期雇用労働法対応のための取組手順書」
https://www.mhlw.go.jp/content/000467476.pdf
※P4にある手順表をご参照ください!

▼手順1 労働者の雇用形態を確認しましょう
法の対象となる労働者の有無をチェックします。
※社内で短時間労働者や有機雇用労働者は雇用していますか?

▼手順2 待遇の状況を確認しましょう
短時間労働者・有期雇用労働者の区分ごとに、賃金(賞与・手当を含む)や福利厚生などの待遇について、正社員と取扱いの違いがあるかどうか確認しましょう。
※書き出して、整理してみるとわかりやすいでしょう。

▼手順3 待遇に違いがある場合、違いを設けている理由を確認しましょう
短時間労働者・有期雇用労働者と正社員とでは、働き方や役割などが異なるのであれば、それに応じて賃金(賞与・手当を含む)や福利厚生などの待遇が異なることはあり得ます。そこで、待遇の違いは、働き方や役割などの違いに見合った、「不合理ではない」ものと言えるか確認します。
※なぜ、待遇の違いを設けているのか、それぞれの待遇ごとに改めて考え方を整理してみましょう。

▼手順4 手順2と3で、待遇に違いがあった場合、その違いが「不合理ではない」ことを説明できるように整理しておきましょう
事業主は労働者の待遇の内容・待遇の決定に際して考慮した事項、正社員との待遇差の内容やその理由について、労働者から説明を求められた場合には説明することが義務付けられます。短時間労働者・有期雇用労働者の社員タイプごとに、正社員との待遇に違いがある場合、その違いが「不合理ではない」と説明できるよう整理しましょう。
※労働者に説明する内容をあらかじめ文書にまとめておくと便利です。

▼手順5 「法違反」が疑われる状況からの早期の脱却を目指しましょう
短時間労働者・有期雇用労働者と正社員との待遇の違いが、「不合理ではない」とは言いがたい場合は、改善に向けて検討を始めましょう。また、「不合理ではない」と言える場合であっても、より望ましい雇用管理に向けて改善の必要はないか検討することもよいでしょう。

▼手順6 改善計画を立てて取り組みましょう
改善の必要がある場合は、労働者の意見も聴取しつつ、パートタイム・有期雇用労働法の施行までに、計画的に取り組みましょう。

まずは「社内にどのような雇用形態の労働者が、それぞれどの程度いるのか」を把握することが対応に向けた第一歩です。そして、それぞれの雇用形態、労働者ごとの待遇を確認し、待遇差についてはどのような理由から差が設けられているのかを明らかにします。加えて、その理由について「同一労働同一賃金ガイドライン」と照らし合わせて「合理的でない」と判断された場合には、適正な取り扱いとなるよう改善計画を検討、着手していきましょう。

参考:厚生労働省「同一労働同一賃金ガイドライン」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000190591.html
参考:厚生労働省「同一労働同一賃金ガイドラインの概要」
https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000470304.pdf

【正規・非正規間で、基本給・賞与・諸手当・福利厚生に関わる待遇差がありませんか?】

取組手順書では、基本給・賞与・諸手当・福利厚生等の待遇を検討する際に役立つシートが提供されています。

参考:厚生労働省「パートタイム・有期雇用労働法対応のための取組手順書」P8~P12
https://www.mhlw.go.jp/content/000467476.pdf

まずは正社員に支給されている内容を書き出し、それぞれについて短時間労働者・有期雇用労働者への支給の状況を確認します。「単に雇用区分の違いのみで支給の有無や額が異なる」等の項目は、今後の是正項目になるでしょう。検討の結果、不合理と思われる待遇差については、早急に処遇改善に向けた取組みが必要です。

何となくは理解できていても、いざ対応となると難しい「同一労働同一賃金」。ぜひ、手順書に沿った取り組みを開始してみてください。

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