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掲載日:2019-02-20

2019年4月より「36協定は新様式に!」実務上のよくある疑問を解消

改正労働基準法の施行に伴い、「36協定届」が新様式となることは、すでに別記事にて解説した通りです。様式の変更は「時間外労働の上限規制」に対応するためのものですが、2019年4月を目前に、現場ではその対応に戸惑う場面も多いのではないでしょうか?今号では「36協定新様式」について、「いつから?」「注意点は?」等、実務上の対応を解説していきます。

参考:人材ドラフト「【平成31年4月】36協定届が新様式に変わります」
https://www.jinzai-draft.com/business_support.php?submit=news_d&news_id=87

【中小企業は「2020年4月以後の期間のみを定めたもの」から】

新しい様式となる36協定届については、「2019年4月のタイミングですぐに届け出をする必要があるのか」といったご相談を受けることがあります。

この点、結論としては、下記の通りとなります。
●大企業は「2019年4月以後の期間のみを定めたもの」から
●中小企業は「2020年4月以後の期間のみを定めたもの」から

具体的なイメージは、参考資料の図をご確認いただくと分かりやすいと思います。

参考:厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」
P5「<Point2>中小企業への上限規制の適用は1年間猶予されます。(中小企業の定義)」
P6「<Point3>上限規制の施行に当たっては、経過措置を設けています。」
https://www.mhlw.go.jp/content/000463185.pdf

大企業と中小企業とで時期にズレがありますが、これは「時間外労働の上限規制」の適用時期の違いによるものです。ただし、中小企業では2019年4月締結・届出分より、新様式の内容で協定締結が可能な場合には、2020年4月を待たずに前倒しで、新様式を用いた届け出をしても良いことになっています。

【「新36協定」は適切な様式での届け出を】

「36協定の新様式」は7種類あり、それぞれ用途に応じた適切なものを使用しなければなりません。一般的な事業場でおさえるべきは「一般条項」(様式第9号)のみか「特別条項付」(様式第9号の2)であり、さほど混乱を招くものではなさそうですが、あらかじめそれぞれの様式の違いを理解しておくと安心でしょう。

参考:厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」
P6「<Point4>上限規制の適用が猶予・除外となる事業・業務があります。」
P11「II.実務対応編/36協定届の新しい様式(用途に応じての様式が制定)」
https://www.mhlw.go.jp/content/000463185.pdf

参考:厚生労働省「資料No.2-時間外労働・休日労働に関する協定届(36協定)様式(案)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000024580_00003.html
[一般条項]https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/000344353.pdf
[特別条項付]https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/000344354.pdf

【「36協定新様式」対応・締結時の注意点5つ】

新様式の36協定を用いる際に、5つの注意すべき点をご紹介します。こちらは「時間外労働の上限規制」に対応するため、確実におさえておくべきポイントです。

(1)「1日」「1ヶ月」「1年」について、時間外労働の限度を定める
時間外労働の上限規制の導入に伴い「特別条項付36協定」を締結した場合にも、時間外労働を下記の枠内におさめなければならなくなりました。
・時間外労働が年720時間以内
・時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
・時間外労働と休日労働の合計について、「2ヶ月平均」「3ヶ月平均」「4ヶ月平均」「5ヶ月平均」「6ヶ月平均」が全て1月当たり80時間以内
・時間外労働が月45時間を超えることができるのは、年6ヶ月が限度
これを遵守するために、「1日」「1ヶ月」「1年」についての限度時間を定めることになりました。

(2)協定期間の「起算日」を定める
「1年」の上限について、正しく算定するために「起算日」を明記します。

(3)時間外労働と休日労働の合計について、「月100時間未満、2~6ヶ月平均80時間以内」にする
「1日」「1ヶ月」「1年」の時間外労働の上限時間内であっても、実際の「時間外労働」と「休日労働」の合計が、「月100時間以上または2~6ヶ月平均80時間超」となった場合には違法となります。
36協定届の新様式では、この点について労使で合意したことを確認するためのチェックボックスが設けられ、ここに必ずチェックを入れなくてはなりません。

(4)限度時間を超えて労働させることができるのは、「臨時的な特別の事情がある場合」のみ
新36協定の記載上、「業務の都合上必要な場合」「業務上やむを得ない場合」では認められず、具体的な事由を明らかにすることが求められます。

(5)限度時間を超えて労働させる「労働者の健康・福祉」を確保
限度時間を超えて労働させる「労働者の健康・福祉を確保するための措置」を定めておく必要があります。

参考:厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322_00001.html

改正労働基準法の施行により、2019年4月より様々なことが変わります。実務上、何かと不明な点も多く生じることと思いますが、順を追って一つひとつ対応を確認し、着実に進めてまいりましょう!

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