ビジネス支援

掲載日:2019-03-13

「勤務間インターバル制度」導入に向けた取り組みを解説~長時間労働対策の一助に。

2019年4月より本格的に動き出す「働き方改革」では、『勤務間インターバル制度の導入』が努力義務となります。長時間労働の是正対策として有効な手立てであり、深夜労働の少ない企業においては比較的取り組みやすい制度導入となります。一方で、現場からは「導入に向けて何から取り組めばよいか分からない」といった声が挙がることもしばしば。今号では、企業が同制度導入を前向きに検討できるよう、具体的な導入手順をご紹介しましょう。

【そもそも「勤務間インターバル制度」とは?】

「勤務間インターバル」とは、1日の勤務終了後~翌日の出社までの間に休息時間(インターバル)を確保。労働者の生活時間や睡眠時間を十分に確保し、労働時間の長時間化を是正する制度のことです。政府のガイドラインや助成金の支給要件等から把握できるインターバルは「9~11時間」の設定が推奨されています。

例:11時間の休息時間を確保するために事業時刻を後ろ倒しにする場合
■「8時」始業→「17時」終業→残業のため「21時」勤務終了→インターバル11時間→「翌日8時」始業
■「8時」始業→「17時」終業→残業のため「23時」勤務終了→インターバル11時間→「翌日10時」始業

参考:厚生労働省「『働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律』について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322_00001.html 参考:リーフレット「働き方改革~一億総活躍社会の実現に向けて」P10
https://www.mhlw.go.jp/content/000474499.pdf

【「勤務間インターバル制度」を取り入れるには、何から始めるべき?】

働き方改革の推進を背景に、企業における同制度への関心は高まりつつあります。しかしながら、導入手順が分かりづらいことから、実際の導入は思いのほか進まぬ現状があるようです。

現場においては、まず「実際の勤怠実績を鑑み、勤務間インターバル制度の運用が可能かどうか」を適切に判断することが求められるでしょう。その上で、平成30年12月に公開された「勤務間インターバル制度普及促進のための有識者検討会報告書」内で紹介されている手順を基に、今後のスケジュールを具体的に考えていく必要があります。

勤務間インターバル制度の導入手順は、大きく分けて5つのステップに分けることができます。ポイントとしては、導入当初のルールに縛られることなく、試行を繰り返しながら徐々に社内制度として完成させていくという姿勢で取り組むことです。これは今回に限ったことではなく、新制度が一度で社内に馴染むことはごく稀なこと。まずは「導入までのプロセス」を確認しながら検証・修正を繰り返し、組織の中で活かされる制度作りを目指していきましょう。

<導入までのプロセス>
「ステップ1」
制度導入の検討→労使での話し合い→企業内の労働時間の実態の把握
※背景:長時間労働の改善、労働者の健康の確保、仕事と生活の調和、人手不足など
「ステップ2」
実態を踏まえた休息時間確保の制度設計の検討
「ステップ3」
試行期間
「ステップ4」
検証及び見直し(問題点の発掘)
※再検証の場合、ステップ4→ステップ2へ
「ステップ5」
本格稼働(制度化)
※効果:睡眠時間の確保、生活時間の確保、魅力ある職場づくり、人材の確保・定着など

参考:厚生労働省「『勤務間インターバル制度普及促進のための有識者検討会』の報告書を公表します」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_02924.html

【「勤務間インターバル制度」導入に向けた政府支援も】

厚生労働省公開の「平成30年就労条件総合調査の概況」では、導入企業の割合が全体のわずか「1.8%」であることが明らかになっています。いまだ広がらぬ、企業における勤務間インターバル制度導入について、このたび公開された報告書では「課題」が4点挙げられています。

<普及に向けた課題>
1、制度の認知度が低い
2、制度導入の手順が分からない
3、就業規則の整備等に係る経費負担
4、突発的な業務が発生した際の代替要員の確保

この課題を踏まえ、今後はさらなる政府支援が施される予定となっています。

<普及に向けた取組>
●導入事例集を活用し、行政機関はもとより地域の関係団体等と連携して制度の周知を行う
●制度導入の手順をまとめた「導入に向けたポイント」を参考に、更なる導入促進を図る
●助成金による導入支援を引き続き行うとともに、労務管理の専門家による相談支援を実施する
●関係省庁が連携を図りながら、取引環境の改善に向けた取組を一層推進する

参考:厚生労働省「『勤務間インターバル制度普及促進のための有識者検討会』の報告書を公表します」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_02924.html

今後ますます広がる政府支援を活用し、御社の働き方改革の推進の中で「勤務間インターバル制度」導入を進めていくのが得策ではないでしょうか?具体的な制度内容を把握し、取り組めることから始めてみることをお勧めいたします。

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