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掲載日:2017-03-01

「同居していない兄姉も被扶養者になれる」「どっちが優先?遺言と遺産分割協議書」

経営・財務 2017年2月号(2)

被扶養者の認定要件が緩和

 健康保険の被扶養者の認定が受けられる家族の範囲は3親等までの親族で被保険者が生計を維持していることが要件となります。そのうち一定の範囲の家族は同居している事も要件となります。その対象が兄や姉の場合は今までは被保険者本人と同居していないと被扶養者になれませんでした。平成28年10月からは法改正により、兄姉については同居要件が外されました。

被扶養者の要件

 健康保険では被保険者に扶養されている健康保険の給付を受ける事ができます。この家族を被扶養者と言います。被扶養者の認定を受けられるのは次の1から3に該当する方です。
1.主として被保険者の収入で生計を維持されている75歳未満の(後期高齢医療制度の被保険者とならない)方
2.被保険者の3親等内の親族
・被保険者と同居、別居を問わない親族
ア. 配偶者(双方に戸籍上の配偶者が無い内縁関係を含む)
イ. 子(養子含む)、孫
ウ. 弟妹(平成28年10月より兄姉)
エ. 父母などの直系尊属
・被保険者と同居が要件の親族
オ. 前記アからエ以外の3親等内の親族
カ. 配偶者の父母及び子
3.年収が130万円未満(60歳以上又は障害者は180万円未満)でかつ次の基準を満たす人
A.同居の場合・・・・被保険者の収入の2分の1
B.別居の場合・・・・被保険者の仕送り額がその対象親族の年間収入を上回ること

平成28年10月からの被扶養者認定

 この度の法改正でこれまで被保険者と同一の世帯であることが条件となっていた兄と姉については同居の要件は撤廃されました。別居している場合でも収入要件など他の要件が該当していれば新たに被扶養者として認められる可能性があります。

別表(二)を代用できる

 法務省のホームページでは、株主リストの書式例・記載例を公表するとともに、企業側の負担を考慮し、同族会社等判定明細書(A)や有価証券報告書の「大株主の状況の欄」(B)などの既存書類を利用できるとしています。(A)というのは、法人税申告書の別表(二)のことです。上記(1)~(5)の記載が完全で、そこに代表者の証明がなされれば、要件を具備した書面になります。
 なお、3分の2以上要件の判定に同族関係者の保有株式の合計が必要ですが、別表(二)は同族グループ毎に付番することになっているので、そのままで判定要件具備のようです。


年々増える遺言作成件数

 相続・遺言に対する関心は年々高まっており、平成26年1月~12月に全国の公証役場で作成された遺言(公正証書遺言)は10年前から約4万件も増加し、ついに10万件を超えました。家庭裁判所で扱われた遺産分割事件も同様に増加傾向にあり、こうした背景も影響していることがうかがえます。故人の遺志をできるかぎり尊重したいものですが、遺言を書いたときと相続時では家族の状況が変わってしまうということもあります。では、遺言の内容と異なる遺産の分割をすることは可能なのでしょうか。

遺言と違う遺産分割は可能?

 相続人の間で遺産分割の方法を話し合うことを遺産分割協議と言い、その結果を書面にしたものが遺産分割協議書です。
 判例では、1.遺言によって遺産分割協議が禁止されている場合、2.遺言執行者が選任されている場合を除き、遺言と異なる内容の遺産分割協議をすることは事実上認められています。実際、遺言と異なる遺産分割の方法を協議することは珍しくありません。
 しかし、だからと言って全て遺産分割協議書が遺言に優先する、という意味ではありません。遺言の内容によっては注意が必要です。

遺産分割の方法が指定された遺言

 過去、最高裁では、特定の財産を特定の相続人に相続させる内容の遺言の場合、遺言者の死亡によって、財産は直ちに確定的に相続人に帰属するとした判決が行われました(平成3年4月19日最高裁判決)。「特定の財産を特定の人に相続させる内容」とは、たとえば「長男○○に埼玉県××の土地を相続させる」というのがこれにあたります。この場合、その後に行った遺産分割は本来の意味での「遺産分割」ではなく、相続人間の取引として財産が移転するものとされています。
 その結果、不動産の相続登記を行う際、遺産分割協議の結果をすぐさま登記できず、まずは「遺言に基づく登記」をした後、「相続人間の取引の登記」の二段階で申請しなければならないなど、相続事務に支障をきたすことがあります。こうなると手続き費用も手間も二重にかかってしまいますので、注意が必要です。

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