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掲載日:2017-03-08

経理の合理化・・パソコン会計を活用する

【1】NO伝票によるパソコン会計処理

 経理合理化の一番の近道は、振替伝票を一切起票せず、原始証憑から直接パソコン会計に入力することです。

 コツは、パソコン会計を活用して、すべての手計算の集計表をなくし、データを活用することです。

成功のためのポイント!

 「パソコン会計を導入したけれど、かえって能率が悪くなった、手間が増えた」という声をよく聞きます。その原因は?「原始証憑から手書伝票へ、パソコン会計入力の手間だけ増えた」「経営者の恣意的な集計表業務が多く結局手書きの集計業務が減らない」等、これらの問題は最初から必要な補助集計を決定し、部門・補助科目を入力しておくことで合理化できます。
1.導入がうまくいかない会社のほとんどは、手書帳簿を見ながらパソコン会計へ入力をしています。預金の入力は、通帳を見ながらします。預け入れ欄を見て、借方 預金/売掛金と入力し、次に支払欄から、通信費/預金等を入力していきます。1日・1週間分の通帳入力が終了したら、検証を預金元帳の残高と通帳残高の一致を確かめていきます。
 手書の振替伝票からパソコン会計に入力している会社が意外と多いようです。原始証憑から直接パソコン会計に入力しましょう。普通預金通帳を見ながら、普通預金/売掛金【得意先補助】と入力していき、入力が終わったら必ず通帳と帳簿の残が一致しているか確認しましょう。

2.自社発行の請求書綴りより、請求書を見ながら、請求日付・金額・請求先補助科目等を入力します。売掛金【A社補助科目】/売上 入金は、通帳を見ながら原始証憑の請求書に領収印を押印し、現預金/売掛金【A社補助科目】と入力します。自動的にA社の補助科目元帳が作成でき、お金の出入り、未収金額が一目瞭然となります。

3.では成功のためのポイントは何でしょうか?答えは単純です。手書きの帳簿を一切やめて、日々パソコン入力することです。「忙しくて毎日なんか入力できない」「手書きの書類がないと心配」、そんな声があるかもしれません。入力画面は「振替伝票」「出納帳」そのものです。書いてから入力するか、入力してからパソコンから印刷するか、つまり慣れの問題なのです。

4.パソコンに入力すれば瞬時に分類集計が完了するので、振替伝票、出納帳、集計表、その他、一切手書きの書類作成の必要がなくなります。経理の仕事は「パソコンに入力する→画面上の試算表、元帳の画面を見ながら残高を確認する→試算表、元帳・集計表を出力する」といった単純な3工程に変わります。しかも日々入力するので、試算表や元帳や集計表も印刷したり画面で見ることができます。もう手書きの集計表は不要です。
5.会計ソフトに入力されたデータはデジタル化しています。会計ソフトの機能を使うと、そのデジタル化したデータを簡単に取り出すことができます。つまり試算表や集計表のデータをエクセル等の表計算ソフトで加工することが容易に出来るわけです。経営者の望む資料を素早く、見やすく、しかも手間をかけずに作成することができます。また、エクスポートのメニューで試算表のデータをエクセルに転送することができます。

6.パソコン会計は原始証憑から直接入力しましょう。それが成功のための最大のポイントです。パソコン会計を導入したら、手書きの帳簿や集計表は思い切ってやめましょう。パソコン会計に毎日、取引を入力しましょう。この"毎日"がポイントです。そして資料はパソコンから出力しましょう。経理の事務量は以前の半分以下に、資料は必要なときに必要なものを手に入れることが出来ます。

【2】経理は現金で始まり現金で終わる

 現金管理とは、【現金出納帳を毎日正しく記録し、金庫・レジの実際現金有り高と帳簿残高が確実に合っているかを日々確認すること】です。簡単そうに見えて、毎日の実務に於いて、この簡単なことがなかなかできないのが現状です。会計の全ての事柄に密接不可分の関係をもっている現金の管理が、きちんとできていないということは、他の会計の全てがデタラメということになってきます。現金出納帳は毎日記録し、実際の現金残高と照合するからこそ価値があるので、せっかく現金出納帳を記録していても、毎日現金実際有り高と照合しないのであれば、その現金出納帳は一文の値打ちもありません。毎日努力して照合し、もし不一致があれば徹底的に究明することが絶対必要です。
 現金商売の小売り・飲食業等で、税務調査は現金実査と昨日の営業日報の照合を確認するために、抜き打ち的に実施される場合があります。その場合、現金と帳簿を毎日照合していることが確認できれば税務調査は90%終了したと言われています。現金商売で現金が正しく記録・照合されていれば、売上除外はなく、原価も架空仕入れは原価率から推定でき、後は経費程度しか調査しようがないからです。
 現金管理のデタラメさは、オーナー1人の同族会社で、奥さんが現金管理をしている会社で多くは起こります。使用人に現金管理を任せることが現金管理を正しく行う第一歩と言えます。

1.間違いのない現金管理

 現金管理について業態の特殊性も考慮して、最も合理的な管理方法を採用しなければなりませんが、一般的に次のような注意をはらうべきです。それを一口で言えば、あまり現金を使用しないことです。

2.売上金は全部預金にすること

 飲食・小売業等では、下記のような営業日報をレジの中に合わせて記録しておけば簡単かつ便利です。最初に現金の中につり銭分だけを入れ、金種別に記録しておきます。
 売上金は入金の都度レジに入れます。もし、レジから現金を引き出した場合、必ず領収書や仮払、出金伝票をもらいます。最低でもメモ等に書いてもらいます。
 閉店後、現金を金種ごとに数え、営業日報を締めます。売上を売上伝票やレジペーパーで確認し、出金金額も領収書等で確認すれば、現金差額、現金過不足が出ます。1ヵ月の間、現金過不足が1円もない営業日報はそれ自体疑わしいものです。現金過不足があるのは自然であり、会社の規模に応じて、徹底糾明の基準と責任の明確な基準を作っておきましょう。
例)1万円を超えたらレジを見直し、全員の聞き取り調査をする等
レジの現金は、翌日の釣り銭を残し、全額夜間金庫か翌日銀行へ入金します。
☆ポイント☆
※釣り銭現金は常に定額用意
釣り銭用現金は常に一定額にしておけば端数計算もなく便利です。釣り銭+売上金 ― レジ出金 ― 釣り銭+(―)現金過不足 = 銀行入金となり、間違いもなく、照合も便利です。
※支払をレジから出させず、原則として、掛け仕入れにし支払日も一定で、小切手支払で対応すれば、ムダな領収書もなく、さらに便利になります。要は、管理が難しい現金をなるべく発生させず、入金は即銀行へ、出金は掛け仕入れ、銀行決済すれば、「忘れた」「現金が合わない」というムダな作業も時間もいらないということです。

3.現金適正管理チェック…現金不正の事例

1.簿外の現金はありませんか?
 社員の旅行積立金の現金、バイトの賃金で取りにこない人の現金、宅配依頼の預かり現金等は不正や脱税の温床になります。誰か1人が管理しており、他人には絶対に見つからない仕組みになってしまいます。
[対策]帳簿に計上する。
(1)社員の旅行積立金の現金…別途通帳を作り、旅行積立用預金/従業員預かり金と両建て経理をしておく。
(2)バイトの賃金 現金/未払賃金
(3)宅配便の預かり 現金/預り送料

2.毎日 現金残高と現金出納帳の残高の照合をし、一致を確かめる。
3.仮払・立替等は仮払伝票を記入してもらう。
4.未取り立て小切手・未渡し小切手を1週間以上金庫に保管しない。未取り立て小切手は銀行に持参、未渡し小切手は、消却廃棄もしくは振り込みにする。

4.金庫に多額の現金を置かない。

1.疑われる社長からの一時的な現金借入
 会社に多額な現金・預金残高があるにも関わらず、社長からの現金借入はその合理的理由について税務当局に疑われます。現金/社長借入金について、その必要性と実際に社長の個人通帳で引き出されていたのかを確認してください。10万円以上のお金が社長の個人通帳から引き下ろされた痕跡がなく、帳簿に計上されると、現金売上を隠し、【現金/売上】代わりに【現金/役員借入金】として処理したのではないかと疑われます。
2.疑われない社長からの借入金、現金ではなく預金で面倒ですが、金銭消費契約書を締結し、きちんと社長個人通帳から会社の通帳へ送金し、現金化することです。預金/社長借入金で処理してください。

5.経理の合理化…ムリ・ムダ・ムラをなくす

1.手書の振替伝票ではなく、原始証憑から直接パソコン会計に入力すること。
2.手書の補助簿【預金出納帳・当座出納帳・得意先元帳・仕入先元帳・預り金元帳・仮払元帳・未払金元帳等一切の補助元帳】はなくし、パソコン会計で作成しましょう。
3.手書きの集計表は一切作成しない。パソコン会計からデータをエクセルに取り出し加工すれば余計な集計業務はなくなります。
※法的に必要とされている帳簿
法人税法で義務づけられている帳簿は原則として、総勘定元帳と仕訳帳です。【法人税法施行規則54条 商法も同】ほとんどの会社はパソコン会計を導入しながら、振替伝票を起票しています。パソコン会計に原資証憑から直接入力してしまえば良いのであって、振替伝票など全く不要です。データさえ入力してあれば、いつでも仕訳帳【振替伝票】や総勘定元帳は印刷できます。ワープロの下書きのような振替伝票などムダな仕事の代表です。
4.通帳を1つにする
 メインの通帳を1つにすると資金の流れや預金残高が一目瞭然になります。やたら預金通帳がたくさんある会社を見ます。モノがあると管理が発生します。できるだけお金の流れをシンプルにすることが経理のシンプル化につながります。
※預金通帳は1冊にしていますか?
取引が広がり、会社が長くなるほど金融機関の取引も増え、預金通帳が増えていく光景をよく見ます。理由はどうであれ預金通帳が多いほど仕事は増えます。取引は1通帳に集中させます。
 入金口座も1つ、支払口座も1つに限定し、振込も1口座からすべて行うのが理想です。預金通帳を1冊にすることは、次のようなメリットがあります。

特に忙しい中小企業の経営者にとって、『今いくらお金があるのか?』をいちいち電卓を持って集計するのは面倒です。1冊なら残高をみればだいたいの儲けはわかります。

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