ビジネス支援

掲載日:2017-04-05

経理をもっと経営に活用する

【1】NO伝票によるパソコン会計処理

経理を必要悪として、帳簿づけだけで終わらせていませんか?経理を経営にもっと活用する方法があります。財務基盤がしっかりしている黒字経営の会社は、営業・技術と並んで経理を第三の柱と考えておられます。経営陣が期首にしっかりした【経営計画】を立て、毎月正確な月次決算を行い、予想決算、予定・実績資金繰り等を見ながら経営をしていけば、赤字経営や資金ショートは起きません。経営とは計画を実行することです。

 経営理念や経営方針というと大げさになります。経営理念とは、【自分の会社は何業か】を明確にし、経営方針とは、【その目的達成のためにどうして行くのか】をまとめたものです。
 「経営理念などいらない、成り行きで経営していく。」という経営者もいらっしゃるでしょうが、それが貴方の会社の経営理念なのです。あるいは「会社は金儲けの手段だ。儲かるなら何でもする。」といったことや「親から引き継いだ会社だ。面白くないが仕方なく経営している。」これも経営理念です。
 経営理念がいい加減なために、本業が分からなくなり、量的金融緩和とマイナス金利という政府のバブル政策の罠につかまり、株・不動産等の投機に走り、代々続いた会社を倒産させたりするのです。
 商工中金の中小企業の資金調達調査によれば、マイナス金利で新規借入をした企業は、36.8%、資金調達の理由は、資金繰りの安定が74.3%。つまりマイナス金利による借入金利の低下による借換え重要が全企業の27.1%となり、政府・日銀がもくろんだ産業活性化のための新規借入は、9.5%に過ぎない結果となっています。6割強の中小企業は、新規借入をしない、計画していないと回答しています。その理由は、①借入を増やしたくない。②投資すべきものが見当たらない。③自己資金が贅沢にある。④金利が低下してもそれを上回る成長産業。となります。
 ここに2つの建設会社があります。
 片方の会社は、「わが社のモットーは快適な住空間を格安で提供する」とし、もう1つは、「代々の家業で職人的ないい仕事をしたい」という会社です。前者は、デザイン・日照・色彩・購入者のニーズ等多様な問題意識の発展の可能性を秘めていますが、後者はどうでしょうか。職人的気質で良いものをと言いますが、消費者のニーズや時代との対応はとれているでしょうか。
 問題意識の広さ、深さは、会社全体のスキルの向上や社員を活性化させます。これから企業は、毎日同じことの繰り返しではなく、顧客のニーズを引き出し、社員の脳を活性化させることが大いなる付加価値を生み出します。右向け右の社員がいくら沢山いても、固定費たる人件費が増えるだけです。頭を使い、如何に顧客のニーズに答え、業務を合理化し、ムリ・ムダ・ムラを失くしていこうかと考える現場の社員こそ、その会社の大きな財産です。その第一歩こそ、経営理念・経営方針で、経営者が常に考える、何かする判断基準でなければなりません。
 初めは簡単なことでも構いません。自分の会社が社会から必要とされている理由から考えられてもいいでしょう。

●年度経営方針を立ててみよう

◎年度経営方針の例示
 年度経営方針として、どのような内容を決めるべきかについては、個々の会社により差異があると思いますが、もっとも簡易な年度経営方針の例示を次にご紹介します。

日本は、「少子高齢化」が進み、「低成長の時代」「成熟社会」が到来しています。大量生産、大量消費の時代が終焉し、いい商品やサービスだけが生き残ることが出来る社会が来ています。このような時代を前にして、「昔は良かった」「政治が悪い」「社会が悪い」「景気が悪い」類の愚痴を言わないことがこれからの経営者の条件と言えます。

 どれ1つ欠けても会社は存在し得ません。利益が出ず、赤字なら会社は永続しません。適度なリスクを背負わないと、創造力は生まれません。
 それを証明しているのが、これまでの民営化の成果です。旧国鉄(現JR)・電話公社 (旧NTT)・郵便公社(現かんぽ)等の破綻はリスクを背負っていなかった事に原因があります。会社が2人以下であれば、夫婦や友人関係で了解し合い、社会的存在には自然的にはなりません。
 企業とは、適度なリスクを背負い、創造力を活性化して、利益を追求する社会的集団と言えます。ですから、企業の業績が悪かった場合、背負っているリスクが少ない、創造力が活性化していないということです。そこでは、「昔は良かった」「政治が悪い」「社会が悪い」「景気が悪い」という理由など入り込む余地はないのです。
 景気が悪いとき、業績が悪いときこそ幸いです。1つに創造力活性化のチャンスが与えられている。2つに創造力を活性化させ、新ビジネス、新商品、新サービスという付加価値が生み出すチャンスだからです。逆に好況のとき、業績がいいときこそ、危ないと考えるべきです。ムリ・ムダ・ムラが生まれやすく、経営者が安心してしまうからです。常にリスクを背負うことに貪欲になってください。

●黒字経営になる経営管理のやり方はあるの?

 経営会議は以上の年次、月次の経営サイクルを実行して、黒字経営を目指すシステムです。赤字になりかかったら、様々な手を打ちます。

●経営の第一歩 経営計画書を作る

 企業経営の第一歩は、現在の経営環境を踏まえた、可能な限りの正確かつ厳しい損益計画と資金計画を立てることです。固定費を切り詰め、生産性を上げ、最少の人員で最大の利益をあげる、損益計画と資金計画を最低3年先は見通して作成する必要があります。緻密な経営計画などいらないのです。前期実績をただ並べてもかまわない。要は1年後、去年並みに推移すれば、1年後の決算はこんな感じになるというイメ-ジが大事なのです。経営の目線を1年先、3年先におくことが大事なことです。

簡単な経営計画は、
手順1:直近の損益の年間損益推移表を用意します。
手順2:販売費及び一般管理費・営業外計画の作成。
 中小企業の販売費及び管理費はほとんど固定費です。その中にムダなものがないかを徹底的に精査して下さい。一番の経費は地代家賃ではないでしょうか?家賃値下げ交渉、極限度まで小さな事務所・工場・店舗の移転も視野に家主と交渉する必要があります。
 多くの経費は家賃と人件費の付随費用が多く占めています。絶対確実な売上の規模に照らした、必要家賃と人件費を決定すると、自然に光熱費や消耗品費、通信費等は圧縮できます。
さらに、コピー機等のカウンター料金や電話料金等はまだまだ圧縮できます。
手順3:人件費計画の作成。
 実際の役員・従業員の次年度の月額報酬、予定給与、法定福利費を見積もります。
 小さな会社ですと、個人別給与を見積もり、積み上げても大した手間ではありません。経営計画における人件費計画は、生活の再生産可能な絶対的消費として圧縮した人件費計画を立てる必要があります。役員報酬の極限度までの削減、給与の生活給と業績・成果給との区別は必須条件とも言えます。
●販売費及び一般管理費+人件費。中小企業の場合、これで固定費【売上0円でもかかる費用】のあらかたの数値が決まります。
手順4:売上と売上原価の作成
 売上計画の作成は業種によって作成方法が異なります。ポイントは実現性、検証性が高く、社員のリスクと連動する売上計画を作成することが会社を成長させるコツです。
●飲食・小売業…予定営業日数×客単価×客数で月次予算を作成します。客数は席数×回転数で算出することができます。
 結果、予定営業日数×客単価×席数×歩留り率×回転数=1か月の売上が算出できます。客単価を昼・夜と区分するとより正確な売上計画や原価計画が算出できます。また、曜日ごとに客数を変えることによって一層売上計画の精度が上がります。
 売上の予算・実績差異分析においても、単に売上が増減したというのではなく、増減が、客単価の上下か、客数の上下によるものかを詳細に分析することによって、異なった経営戦略・戦術を考案できます。
 理想は客数の上昇と客単価の上昇が一番でしょうが、客数の減少と客単価の上昇の結果、売上の増加であれば一考を要します。
●医業も同様に患者数×医療単価×病院開業日数で1か月の医業収入が算出できます。さらに、科別単価を設定することで、計画精度を上げることができます。入院病棟については、科別単価×ベット数×稼働率×日数で算出できます。
●建設業・不動産業の場合は、得意先別受注目標、営業担当者別目標を設定すること等、過去実績、個人目標と連動する仕組みを作り上げることが必要です。
●サービス業…業態によって変わってきますが、得意先別、サービス別、個人別に売上計画を作成されています。
 注意すべきは、納期が長く、お金の回収が長期に渡る建設業等です。まず、売上計画は納期管理、進捗管理と整合性を持たせる必要があります。12000万円の仕事でも完成引渡しまで、1年と2年では売上金額は、全く異なります。現場別に受注金額、見積原価、納期等を記入して、工事進行基準に応じて、売上予算化することによって、実績と対比して、工事の進捗管理が可能となります。
 最後に、全業種に共通する一番簡単な作成方法は、前期の売上推移に前期比数値を×(かける)ことです。前期比105%であれば、一律前期の売上数値に1.05乗じていけばすぐ月次売上予算が作成できます。また、売上予算が確定すれば、予定原価率を乗じていけば売上原価が算定できます。どうしても精度の高い、損益計画が作成できない会社はとりあえず、簡単な方法で作成することです。
 経営計画は企業の先行きを照らす明かりのようなものです。経営計画なしに企業経営するのは、全くの暗闇の中を歩くようなものです。倒産会社の99%は経営計画と予実管理がされていないそうです。倒産は、正確な企業業績の先行きをみすえて経営のかじ取りをしてこなかった結果でもあります。

●経過月実績+未経過月予算=予想決算

 この表によって、このまま推移すれば、当初の経営目標に到達するかどうかが、毎月一目瞭然です。売上・原価率・売上総利益・人件費率・経費・営業利益・経常利益・税引き後利益等が明確な数字で見えます。赤字経営は命取りです。徹底した計数管理により黒字経営を目指します。

1)売上減少
原因調査…商品力の見直し/営業力の見直し/新商品・新サービスの投入/新分野・新店舗等の検討
ポイント…同業者で業績を上げている企業の実態を調査する。
2)原価率の高騰
原因調査…仕入先の検討/ムダな在庫がないか日々・商品別・店舗別の原価率調査
3)人件費
役員報酬の削減/人員の削減/正社員からパート、バイトへの転換・派遣の検討/賞与の削減/固定給与から変動給与へ/業績・能力主義賃金体系への転換
ポイント… 粗利から適正人員を探る。最低1人800万円の粗利は必要。業界水準の人件比率を知る 例)飲食業…対売上30%以内等
4)経費の削減
経費の中身積上げ/個々の経費の一つ一つを0ベースで見直す

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