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掲載日:2017-04-12

減価償却資産の処理について

1.概要

 事業者が建物などの資産を購入し、事業のために使用することはよく見受けられる行為です。この場合の会計処理については、購入時に取得価額を費用として処理をするのではなく、使用期間に応じ分割して費用を計上していきます。この方法により計上される費用を減価償却費といいます。
 この減価償却費の計算にあたってはいくつかの注意点があります。今回は正しく減価償却費を計算するために抑えておきたいポイントを確認していきたいと思います。

2.減価償却資産

 はじめに、減価償却費を計上しなければならない減価償却資産とはどういったものがあるでしょうか?
 一般的には時の経過等によってその価値が減っていく建物、建物附属設備、機械装置、器具備品、車両運搬具など事業の業務に用いられる資産のことを減価償却資産といいます。
 他方、土地や骨とう品などのように時の経過により価値が減少しない資産は、減価償却資産には該当しません。
※注意点
1.使用可能期間が1年未満のものや取得価額が10万円未満のものは、その取得に要した金額の全額を業務の用に供した年分の必要経費として計上します。
2.取得価額が10万円以上20万円未満の減価償却資産については、一定の要件の下でその減価償却資産の全部又は減価償却資産の取得価額をその業務の用に供した年以後3年間の各年分において必要経費に算入することができます。
3.一定の要件を満たす青色申告者が、平成18年4月1日から平成30年3月31日までに取得した取得価額10万円以上30万円未満の減価償却資産については、一定の要件の下でその取得価額の合計額のうち300万円に達するまでの取得価額の合計額をその業務の用に供した年分の必要経費に算入できるという特例があります。
4.取得価額の判定に際し、消費税の額を含めるかどうかは納税者の経理方式によります。すなわち、税込経理であれば消費税を含んだ金額で、税抜経理であれば消費税を含まない金額で判定します。なお、免税事業者の経理方式は税込経理になります。

3.取得価額の算定

 減価償却費を計算するにあたり購入した減価償却資産の正しい取得価額を算定することは重要なポイントです。購入した減価償却資産の取得価額には、原則として、その資産の購入代価とその資産を事業の用に供するために直接要した費用が含まれます。また、引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税などその資産の購入のために要した費用も含まれます。
 たとえば、建物を購入した際に不動産業者へ支払う仲介手数料や、未経過分の固定資産税相当額の清算代金は取得価額に含まれます。
 ただし、不動産取得税、契約書に貼る印紙代、司法書士への登記費用などは支払い時に費用として計上する事が認められています。
 このように支払った内容により減価償却資産の取得価額に含まれるものや、支払い時に費用として計上できるものがありますので、これらを正確に区分する事が実務においては重要なポイントです。

4.耐用年数の判定

 耐用年数とは、減価償却資産を各年度に費用配分する場合の計算の基礎となるもので、法的に定められたものをいい、減価償却費を算定するにあたり正しい耐用年数を資産ごとに確認する必要があります。
 ここでは建物の耐用年数を確認していきます。

 このように建物の構造や材料、使用する用途によって耐用年数が変化する事が確認できたと思います。実務においては正しい耐用年数により減価償却費を算定する事が重要なポイントになります。

5.減価償却資産の償却方法

 減価償却資産の代表的な償却方法として定額法と定率法が上げられます。今回はこの定額法と定率法について確認していきたいと思います。

具体的な計算例
取得価額100万円、耐用年数10年の減価償却資産についての償却費の計算は、次のとおりです。
便宜上、1年間事業に使用していたと仮定して計算しています。

(注)平成19年度税制改正により計算方法が大幅に改正されました。上記の図は平成19年度税制改正後の定額法と定率法の具体例です。

6.おわりに

 今回は減価償却資産の処理にスポットをあて、いくつかのポイントを確認してきました。実務で経験している方も多くいると思いますが、減価償却資産の処理は高額になることも多いため注意が必要となります。
 また、税制改正により償却方法や耐用年数などが変動する場合もあります。詳しくは、お近くの税務署や会計事務所にご相談ください。

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