ビジネス支援

掲載日:2017-04-26

「現金商売以外は現金を持つなのススメ」「管理会計のススメ課長なら知っておきたい利益貢献の尺度」

経営・財務 2017年4月号(2)

現金の重要性

 現金商売の場合、終業時には現金を実際に数えて、レジの記録と過不足がないかを確認し、過不足がある場合その原因を突きとめます。その日に原因がわからない場合も、一定期間保留し、原因をできるだけ追求します。毎日の現金実査と帳簿との照合が経理の信頼につながる、大事な仕事です。

現金が動くとその都度の記帳義務がある

 ちょっとした支払いに備えて小口現金制度があったり、経費精算を営業マンの都合で適宜対応するために経理担当者に現金を持たせたりしている会社もあります。
 会社法432条1項(会計帳簿の作成及び保存)では、「適時」の帳簿作成が定められています。そのため、現金出納帳をまとめて記帳するということはできません。お金が動けば、遅くともその日の終業時には現金を数えて現金出納帳を記帳しなければなりません。これって経理担当者にとって結構な心理的負担であり、かつ、時間と労力の無駄です。現金商売でない限り、現金が必要という心の呪縛は捨て去りましょう。

こうすれば経理担当者はストレス・フリー

 現金を持たなければ、毎日の記帳義務はなくなります。定期的に決めた日程での記帳作業となります。また、仕事の途中で経費精算のために作業を中断させられるようなこともなくなります。こうすることで、経理担当者は仕事に集中することができることとなり、現金管理の精神的な負担や作業中断のストレスから解放されます。

立替経費精算制度で問題解決!

 小口現金や随時の経費精算がなくなれば、不都合が生じるのではないかという懸念を持つ方もいらっしゃるでしょう。しかし心配無用です。下記で問題なく運用できます。
(1)立替経費精算制度
 営業マンの交通費精算も含め全ての小口の経費精算は、定期的(毎月がベター)な報告書精算とし、支払は給料日にまとめて行います。経理担当者は確認作業をまとめて行なえ効率的な仕事ができます。精算する営業マンも提出期限に遅れると翌月まで返金されないので精算遅れが少なくなります。
(2)事前仮払金前渡制度
 入社時に平均的な経費精算額よりも少し多い金額を前渡しします。一種の定額資金前渡制度(インプレストシステム)です。
 なお、臨時の出張等でお金が必要になる際は、事前の仮払申請に都度口座振込で対応すれば解決します。

会社に利益をもたらす源泉はどこにあるのか?

 会社は売上を上げてそこから得た利ざや(=売上‐売上原価)を得ます。これは「粗利益」とも呼ばれ、その会社の“付加価値"を表します。この粗利益から会社の運営に必要な経費(=家賃+人件費+その他販売費および一般管理費)を賄い、それが本業での儲けとなります。
 そのため、会社が事業を行って得た付加価値(=粗利益)こそが利益の源泉であり、本業での利益を実現させるためには、「粗利益の絶対額のアップ」が必要です。

 表面的な売上金額の多寡ではなく、どちらが粗利益が大きくなるかを考えます。
 A値引きの場合、会社の粗利益は値引き金額そのものが減り、本来2台で54万円(=[90万-63万]×2)のところ34万円となります。お客さんは20万円得します。
 Bオマケの場合、値引きが5%なので粗利益の減少は9万円(=90万×5%×2)で45万円の粗利益を確保できます。ただし、販売価格5万円のトナーを無償で4本つけるのでその分出費がかさみます。とはいえトナーは原価1.5万円ですので影響は6万円ですみ、会社の粗利益は39万円になります。
 一方でお客さんは9万円の値引きに加えて買えば5万円するトナーを4本オマケでもらうので29万円得します。
 Bの方が自社も顧客も得しますので、対案としてBを提案させます。こんな思考が営業の人にも必要な会計力です。

会計思考は意思決定を助けてくれる

 粗利益の絶対額からどちらが儲かるかを考える以外にも、管理会計的手法で、外注・追加注文の意思決定や撤退条件、投資の利益計画などがわかります。興味があったら会計事務所に相談してみてください

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