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掲載日:2017-07-12

「36協定」とは?働き方改革でどう変わる?

36協定について、“残業が生じる場合に締結が必要になる協定書" とざっくり理解していても、その「正式名称」や「締結によって可能になる残業時間数」等を詳細に説明できる方はあまり多くないのではないでしょうか?

しばしば「36協定さえ締結しておけばいくらでも残業させることができる」と誤解されているケースがあるようですが、昨今の働き方改革に伴い、こうした認識は改めていく必要があります。

今号では、36協定に関する分かりやすい解説と、今後の方向性についてお話ししていくことにいたしましょう。

【1時間でも時間外労働が生じるなら、36協定を締結しましょう】

36協定とは「時間外・休日労働に関する協定届」のこと。1日8時間、一週間40時間の法定労働時間を超えて労働させる場合、もしくは、1週1休(4週4休)の法定休日に労働(法定休日労働)させる場合には、あらかじめ労使で書面による協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出ることが求められています。労働基準法では、こうした時間外・休日労働に関する取決めが第36条に規定されていることから、この届け出のことを「36協定」と呼びます。

36協定において締結する内容は、下記の協定届の通りです。

参照:東京労働局「時間外・休日労働に関する協定届(36協定)」36協定様式
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/var/rev0/0145/3502/a495000000967101.pdf

「時間外労働をさせる必要のある具体的事由」を明らかにし、通常、「1日」、「1ヵ月」、「1年」の期間ごとに「延長することができる時間」を設定します。ただし、延長可能な労働時間数の上限は1ヵ月45時間(1年単位の変形労働時間制の場合は42時間)、1年の場合は360時間(1年単位の変形労働時間制の場合は320時間)が原則となっている点に注意する必要があります。

ただし、臨時的にこの原則を超えて労働させる必要がある場合には「特別条項」をつけることも可能です。現状、6ヵ月を超えない期間について上記の限度時間を超えることができるとされている以外に制約はありません。しかしながら今後、働き方改革の実現に伴い、特別条項を付けた際の上限時間についても設定されることとなっています(後述)。

ここで、2017年7月現在の36協定に関するポイントをまとめておくことにいたしましょう。

■36協定まとめ
・1日8時間、週40時間を超えて働かせる場合には、締結が必要
・延長可能な労働時間数の上限は
 →1ヵ月45時間(1年単位の変形労働時間制の場合は42時間)
 →1年の場合は360時間(1年単位の変形労働時間制の場合は320時間)
・ただし、臨時的、突発的な事由により、1年のうち6ヵ月の期間内であれば、上記の上限を超えることも可能(特別条項付36協定)

【働き方改革に伴う、36協定の変更点】

現状の36協定の内容は上にまとめた通りですが、働き方改革の柱の一つである「労働時間の上限規制」に関わる取決めの中で、36協定は2019年4月以降、下記の通り改正されることになっています。

■時間外労働の上限の原則はあくまで「月45 時間、かつ、年360時間」

■特別条項付とする場合にも、「年 720 時間(=月平均 60 時間)」の上限を設ける

■年720時間以内において、一時的に事務量が増加する場合について、最低限上回ることのできない上限を下記の通り設ける
(1) 2ヵ月、3ヵ月、4ヵ月、5ヵ月、6ヵ月の平均で、いずれにおいても、休日労働を含んで「80 時間以内」とする
(2) 単月では、休日労働を含んで「100時間未満」とする
(3) 上記の特例の適用は、年半分を上回らないよう、「年6回」を上限とする

参照:働き方改革実現会議決定「働き方改革実行計画(案)」
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hatarakikata/dai10/siryou1.pdf

加えて、現状、時間外労働の上限が定められていない下記の業種についても、2019年4月から5年後となる2024年以降、適用除外の扱いとしない方向で時間外労働に規制をかけていく方向で調整される見込みとなっています。

(1) 自動車の運転業務
(2) 建設事業
(3) 新技術、新商品等の研究開発の業務
(4) 厚生労働省労働基準局長が指定する業務
(5) 医師

参照:労働政策審議会「時間外労働の上限規制等について(報告)」
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11201250-Roudoukijunkyoku-Roudoujoukenseisakuka/0000166797.pdf

36協定については、まず原則を知った上で、2019年以降どのように変わっていくのかを正しく理解しましょう。また、時間外労働に上限規制が設けられることで、今後は時間外・休日労働について「特別条項付36協定を締結したから大丈夫」と考えることはできなくなります。企業においては、業務量を適正に管理し、残業や休日労働を抑えていこうという姿勢が求められます。

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