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掲載日:2017-01-18

確定申告による節税 各種控除を最大限に活用する!

 今年も所得税の確定申告の時期が近づいて参りました。個人事業主であっても給与所得者であっても納税額は少しでも抑えたいというのが心情かと思います。そこで今回は、確定申告をする方が納税額を減らすために知っておくべき「所得控除」について確認していきたいと思います。

<所得控除>
 所得控除は全部で14種類あり、所得金額から直接差し引かれる金額のことをいいます。所得税額を計算するときに各納税者の個人的事情を加味するために設けられている制度 です。差し引く金額が大きいほど所得税の負担が軽減されます。

1.雑損控除

 雑損控除は、災害や盗難、横領などにより住宅や家財に損害を受けた場合に受けることができる控除です。雑損控除については、対象となる資産や損失の種類など細かい要件に該 当するかが焦点となります。
(1)対象となる資産
 住宅や家財、衣服などの生活に通常必要な資産についてのみ適用があります。したがって、高価なぜいたく品や棚卸資産、事業用資産などについては適用できません。
 また、これらの所有者は、納税者自身又は納税者と生計を一にする配偶者やその他の親族(総所得金額等が38万円以下の者)に限られます。
(2)対象となる損失
 1.震災、落雷など自然現象の異変による災害
 2.火災や害虫による災害
 3.盗難
 4.横領
 詐欺や恐喝は雑損控除の対象とはならないことに注意してください。
(3)控除額
 次の2つのうち多い方の金額となります。
 1.差引損失額-総所得金額等×10%
 2.差引損失額のうち災害関連支出の金額-5万円
※差引損失額=損害金額+災害等に関連したやむを得ない支出の金額-保険金などにより補てんされる金額

2.医療費控除

 医療費控除とは、病気やケガを治すための医療費が多額に及んだ場合に、担税力の減殺を考慮するために設けられた制度であり、納税者自身又は納税者と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費の合計が年間で10万円以上となった場合か、所得金額の5%以上となった場合に、その超える部分の金額を控除することができるという制度です。世間一般でもよく知られている所得控除ですが、支出した費用が医療費に該当するかしないかの判断が重要となります。 す。

3.社会保険料控除

 社会保険料控除は、納税者自身又は納税者と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合に受けることができる控除です。支払った全額が控除対象となります。ただし、その年に実際に支払った金額が控除対象とされていますので、12月末時点での未払分はその年の社会保険料控除の対象とはなりません。過去分をまとめて支払った場合などは、実際に支払った年にその支払った全額が社会保険料控除の対象となります。

4.小規模企業共済等掛金控除

 小規模企業共済等掛金控除は、小規模企業共済等掛金、企業型年金加入者掛金、個人型年金加入者掛金、心身障害者扶養共済掛金を支払った場合に受けることができる控除です。払い込んだ掛金全額が控除対象となります。例えば、小規模企業共済掛金を月額7万円支払った場合、年間84万円が控除されます。掛金を払い込んだ分だけ節税することができ、払い込んだ掛金は事業を廃業されたときなどに退職金として受け取ることができるため、ダブルで 節税効果があります。

5.生命保険料控除

 生命保険料控除は、生命保険料、介護医療保険、個人年金保険を支払った場合に受けることができる控除です。
 控除額は、年間の支払保険料によって変わります。下記金額を上限として控除されます。
・平成24年1月1日以降に契約した保険料は、生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料が、それぞれ8万円を超えた時点で一律4万円が上限(最高12万円)
・平成23年12月31日以前に契約した保険料は、生命保険料料、個人年金保険料が、それぞれ10万円を超えた時点で一律5万円が上限(最高10万円)

6.地震保険料控除

 地震保険料控除は、損害保険契約等に係る地震保険に該当する部分の保険料や掛金を支払った場合に受けることができる控除です。控除額は5万円を上限として、支払った全額が 控除されます。

7.寄附金控除

 寄附金控除は、国や地方公共団体、認定NPO法人に対する寄付金やふるさと納税などの寄付を行った場合に受けることができる控除です。
 控除額は、その年に支出した寄付金の合計額と総所得金額の40%のいずれか少ない金額から2千円を差し引いた金額となります。
 最近ではふるさと納税が流行っており、ふるさと納税による寄付金控除により所得税と住民税が減額されるとともに、各自治体から特産品が送られてくるという一挙両得の制度となっています。ただし、控除額は所得の多寡によって変わりますので注意してください。

8.寡婦控除(寡夫控除)

 寡婦控除は、配偶者と死別又は離婚をし、その後婚姻をしていない場合に受けることができる控除です。控除額は27万円ですが、次の要件を全て満たすときは特定の寡婦に該当し、控除額は35万円となります。(寡夫控除は、次の要件を全て満たした場合に、控除額が27万円)
(1)扶養親族である子がいる人
(2)合計所得金額が500万円以下であること

9.勤労学生控除

 勤労学生控除は、納税者自身が学校教育法に規定する小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校の生徒であるなど、所得税法上の勤労学生に該当する場合に受けることができる控除です。控除額は一律27万円となっていますが、給与収入金額が年間130万円以下で、勤労に基づく所得以外の所得が10万円以下であるという制限があります。

10.障害者控除

 障害者控除は、納税者自身又は配偶者や扶養親族が所得税法上の障害者に該当する場合に受けることができる控除です。控除額は、障害者一人につき27万円、特別障害者に該当する場合には40万円、同居特別障害者に該当する場合には75万円です。

11.配偶者控除

 配偶者控除は、納税者と生計を一にしており、年間の合計所得金額が38万円以下(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)の配偶者がいる場合に受けることができる控除です。控除額は、70歳未満の配偶者は38万円、70歳以上の配偶者は48万円です。事業専従者である配偶者は控除対象外ですので注意してください。

12.配偶者特別控除

 配偶者の合計所得金額が38万円以上であるため、配偶者控除を受けられないときでも、納税者の合計所得金額が1千万円以下であり、配偶者の合計所得金額が76万円未満の場合には配偶者特別控除の対象となります。配偶者の合計所得金額に応じて3~38万円の範囲内で控除を受けることができます。

13.扶養控除

 扶養控除は、納税者と生計を一にしており、年間の合計所得金額が38万円以下の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)がいる場合に受けることができる控除です。控除の対象となる扶養親族は、その年の12月31日時点で16歳以上とされており、控除額は、扶養親族の年齢、同居の有無等により変わってきます。
●一般の控除対象扶養親族:38万円
●特定扶養親族(19歳以上23歳未満):63万円
●70歳以上で同居していない老人扶養親族:48万円
●70歳以上で同居している老人扶養親族:58万円
 事業専従者である親族は控除対象外ですので注意してください。

14.基礎控除

 基礎控除は、他の所得控除と異なり適用要件が無く、確定申告する納税者全員が一律で受けることのできる控除です。控除額は38万円です。

まとめ

 以上、各種所得控除を箇条書きしてみました。所得控除を利用すれば、所得税を減少させるだけではなく、連動して翌年の住民税も減少させることになります。要件を満たしてい る控除は漏れなく申告するようにしましょう。

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