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掲載日:2017-09-20

転換前に要提出!助成金申請に必要な「キャリアアップ計画書」

キャリアアップ助成金の各コースの申請に先立ち、まず取り組むべきは「キャリアアップ計画書」の作成です。計画書のフォーマット自体はさほど複雑なものではありませんが、あくまで就業規則等に規定する(もしくは既に規定済みの)制度内容と矛盾することのないよう記載する必要があるため、注意が必要です。

【正社員転換の大前提は「計画的なキャリアアップの取組の推進」にあり】

キャリアアップ計画書の作成を進めるためには、社内における有期契約労働者のキャリアアップ計画について、よく検討する必要があります。前述の通り、計画書の作成自体はさほど困難なものではありません。しかしながら、十分な計画なくして作られた計画書では、社内規程に定められた制度や実務上の取扱いとの矛盾が生じることが多く、結果として不支給となってしまうことも珍しくありません。

例えば、就業規則に「勤続3年以上」を転換の要件と定めた場合、所属長の推薦を受けた場合等で例外的に「勤続1年」で正社員となった労働者については、助成金の対象とすることはできません。この場合、規則に例外規定を設けていない限り、転換制度にのっとった計画的なキャリアアップと判断することはできないからです。
上記の「対象者」に関わる要件同様、試験内容や転換時期についても、規定の制度との矛盾がある場合には助成金の対象外となります。よって、キャリアアップ計画の策定、計画書の作成、規定への制度化については細心の注意をもって取り組む必要があります。

キャリアアップ計画書には、対象者・目標・期間・目標を達成するために事業主が行う取り組みについて、「有期契約労働者等のキャリアアップに関するガイドライン」を参考に、今後の大まかなイメージを記載します。助成金の趣旨、会社としての中長期的な取り組みの流れを理解するためにも、まずはガイドラインを一読されることをお勧めします。

参照:厚生労働省「有期契約労働者等のキャリアアップに関するガイドライン」
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/dl/gaidelines.pdf

【キャリアアップ助成金(正社員化コース)申請に向けた「キャリアアップ計画書」ポイント】

ここからは、具体的に「キャリアアップ計画書」を見ながら、書き方のポイントや注意点をご紹介することにします。さっそく、下記より計画書のフォーマットをダウンロードしましょう。

参照:厚生労働省「キャリアアップ計画様式(キャリアアップ助成金)」
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000160291.pdf
※こちらからフォーマットをダウンロードの上、参照しながら以下をお読みいただけるとご理解いただきやすいと思います

1.キャリアアップ管理者
「有期契約労働者等のキャリアアップに取り組む者として、必要な知識及び経験を有していると認められる者」を管理者に定めます。事業主や役員、人事部長がこれにあたるケースが多いようです。配置日は「キャリアアップ管理者を定めた日」となりますから、当然「計画書の提出日以前の日」である必要があります。

2.キャリアアップ管理者の業務内容
管理者としてどのような業務にあたるかを記入します。概ね下記3つの要素を入れることになるでしょう。
・キャリアアップ計画の策定および推進
・対象者への周知および意見聴取
・キャリアアップに向けた管理体制の整備

3.キャリアアップ計画期間
「3年以上5年未満」で、期間の初日が「提出日以降の日」となるよう設定します。

4.キャリアアップ計画期間中に講じる措置の項目
3年以上5年未満のキャリアアップ計画期間内に、実施する予定のある措置について選択します。複数選択可能です。

5.対象者
転換対象となる有期契約労働者について、所属部門(有期契約労働者の全員を対象とすることも可)や勤続期間等の要件を記載します。対象労働者については、有期契約の場合「支給対象事業主に雇用される期間が通算して6ヶ月以上(ただし、空白期間が6ヶ月以上ある場合は、当該空白期間前に満了した有期労働契約の契約期間は通算しない)」が助成金申請の要件として明記されているため、最低でも「6ヶ月以上」の勤続期間が必要です。

6.目標
キャリアアップ計画期間内に、何名ほどの正規雇用転換を見込んでいるかを記載します。

7.目標を達成するために講じる措置
転換試験の具体的な内容や、合否の判定基準(人事評価等での指標がある場合)について記載します。人材育成と正社員転換とを組み合わせて行う場合には、その旨を記載します。

8.キャリアアップ計画全体の流れ
正社員転換制度について、“制度整備"⇒“周知・募集"⇒(“人材育成")⇒“試験実施"⇒“合否判定"⇒“転換"の流れを、順を追って改めて文章にまとめます。

キャリアアップ計画書を作成したら、都道府県労働局に提出し、労働局長の確認を受けます。なお、この計画書の作成・提出は、正社員転換を実施する日以前に行う必要があります。転換後に計画書を提出しても助成金の対象外となりますので、注意が必要です。

また、都道府県によってはキャリアアップ計画書と併せて独自書類の作成・提出が求められることがありますので、ホームページ等で事前によく確認しておきましょう。
※沖縄労働局では、以前、キャリアアップ計画書と併せて「キャリアアップ計画書の提出にあたって」という書類の提出を求めていました(現在は提出不要となっています)

計画書提出後は、規定した制度に従って正社員化を進めていきます。その後6ヶ月間継続雇用し、正規雇用として6ヶ月分の賃金を支給した日の翌日から起算して2ヶ月以内に支給申請を済ませる必要があります。

次号では、キャリアアップ助成金(正社員化コース)支給申請時の流れや提出書類について、ご紹介することにしましょう。

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