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掲載日:2017-09-27

【キャリアアップ助成金(正社員化コース)】提出書類と支給申請の流れ

今号でも引き続き、キャリアアップ助成金(正社員化コース)をテーマにご紹介します。数ある雇用関係助成金の中でも、比較的支給申請の手順がシンプルな当助成金。しかしながら、書類の内容や提出の順序については、正しくルールに従う必要があります。

今号では、支給申請の流れと提出書類についてご紹介しましょう。

【必ず「計画書提出⇒転換⇒6ヵ月継続勤務(賃金支払)」の流れで申請を】

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の支給申請の流れは、下記の通りです。

1.キャリアアップ計画の作成・提出
正社員転換の実施日までに、向こう3~5年間のキャリアアップ計画を検討し、計画書を作成の上、所轄労働局に提出します(都道府県によっては郵送での提出も可能ですので、各自ご確認ください)。

2.就業規則、労働協約等に正社員転換制度を規定
キャリアアップ計画に基づき、社内規程を改訂します。正社員転換制度について、具体的な「試験等の手続き、対象者の要件、転換実施時期」を記載しましょう。改訂した就業規則は、労働基準監督署に届け出ておきます(郵送可、ただし原本に加え、控えと返信用封筒を同封)。
※キャリアアップ計画書提出以前に、就業規則等にすでに転換制度を盛り込んでいた場合(ただし限定社員制度を除く)にも助成金の対象となります。

3.キャリアアップ計画書、正社員転換制度に従い、転換試験を実施
制度に基づき、「対象者に対し、適切な時期に、制度通りの試験を実施」します。あらかじめ規定した対象者や時期、試験内容と実態とが異なる場合には助成金の対象外となります。くれぐれも計画に沿った形で行うのがポイントです。

4.合否を判定し、合格者を正社員に転換
転換後の雇用契約書や労働条件通知書を対象労働者に交付し、規定した転換実施時期に正社員化を進めましょう。なお制度上、具体的な期日を定めても「随時」としても、いずれの場合でも助成金の対象となります。

5.転換者を6ヶ月間、正社員として継続雇用
基本給の他、時間外手当等の各種手当についても、就業規則の規定通り適正に支払いましょう。賃金が正しく支払われていない場合、6ヶ月の間に解雇があった場合等は、助成金の対象外となります。

6.転換後6ヶ月分の賃金を支給し、支給申請
転換後6ヶ月分の賃金を支給した日の翌日から起算して「2ヶ月以内」に、忘れずに支給申請を行います。この期日を過ぎてしまうと、申請が受け付けられません。
参照:厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内」24ページ
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000169218.pdf

【キャリアアップ助成金(正社員化コース)は「就業規則+法定三帳簿の整備」がカギ】

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の提出書類については、「転換前」と「転換後の支給申請時」との二段階で考える必要があります。

「転換前」
・キャリアアップ計画書
前号にて解説したキャリアアップ計画書を作成し、所轄労働局長の確認を受ける必要があります。正社員転換後に提出をしても、提出以前に転換した労働者は助成金の対象外となってしまいますので、くれぐれもご注意を。

「転換後6ヵ月分の賃金を支給した日の翌日から起算して2ヵ月以内の支給申請時」
・支給申請書(様式第7号、別添様式1-1、別添様式1-2)
参照:
・キャリアアップ助成金支給申請書(様式第7号)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000160647.pdf
・〔別添様式 1 - 1 〕正社員化コース内訳
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000160319.pdf
・〔別添様式 1 - 2 〕正社員化コース対象労働者詳細
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000168711.pdf
・添付書類一式
参照:厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内」18,19ページ
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000169218.pdf

添付書類については多岐にわたりますが、ポイントは「正社員転換前後の就業規則+法定三帳簿」が正しく整備されているかにあります。「法定三帳簿」とは、労働者名簿・出勤簿・賃金台帳のこと。労働基準法上、事業主はこれらの帳簿を整備し、保存しておくことが義務付けられています。

参照:宮古労働基準監督署「労働者を雇用したら帳簿などを整えましょう」
http://okinawa-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/library/okinawa-roudoukyoku/04rouki/houteichoubo.pdf

「法定三帳簿の作成・保存」の様な基本的な点こそ、日々の業務の中でつい曖昧になりがちです。今一度、上記の参照URLをご確認ください。

もちろん、各種規程の内容と実際の勤務実態・支給給与とが合っていることが大前提。「助成金申請用に書類だけを整備しておこう」と思っても、実態とのズレがあれば申請時に必ず矛盾が浮き彫りになるものです。日頃から、“各種規程の整備"と“適切な労務管理"を心がけることが重要となります。

【助成金申請に向けた「諸規程の整備」や「スケジュール管理」に社労士の活用を】

助成金支給申請の大原則は、“法令"と“期日"の厳守です。

今号でご紹介した通り、法律上整えておかなければならない規程・書類は適切な形で管理しておく必要がありますし、申請に向けて決められた手順やスケジュールを経ることは必須となります。

申請書類の作成自体は社内で処理できたとしても、基本となる規程や帳簿の作成が上手くいっていない事業所は意外と多いですし、通常業務の中でつい忘れがちなのが支給申請の期日です。こうした盲点へのフォローを専門家に任せるだけでも、受給の可能性はぐんと上がってくるのではないでしょうか?

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の申請時、東京都内に事業所を構える会社が併せて受給を目指すべきは「東京都正規雇用転換促進助成金」です。有期契約労働者から正規雇用労働者への転換で「50万円」の上乗せ支給が受けられる東京都独自の本制度について、次号にてご紹介することにしましょう!

※「東京都正規雇用転換促進助成金」は、平成29年度受付分についてはすでに終了しております。ただし「これから契約社員を新規採用する」等の場合、平成30年度以降の申請を目指すことが可能ですので、ぜひ引き続き次号もご確認ください。

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