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掲載日:2017-10-11

【働き方改革】平成31年度より「労働者の有休年5日取得」が義務化の見込み

政府主導の働き方改革の推進に伴い、今後様々な法改正が予定されています。具体的な内容については、平成29年9月8日、厚生労働大臣に対する答申が行われた「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」内に盛り込まれています。現段階においては正式に成立した法案ではございませんが、今後の動向としておさえておかれることをお勧めします。

参照:労働政策審議会「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11201250-Roudoukijunkyoku-Roudoujoukenseisakuka/0000177551.pdf

今号では、改正項目の一つである「年次有給休暇」について、どのように変わる可能性があるかをご紹介することにしましょう。

【年5日の年次有給休暇取得が義務化される見込みです】

年次有給休暇といえば、日本企業においては「取得率の低さ」が問題となっています。厚生労働省の調査によると、平成27年度の年次有給休暇の取得率は「48.7%」と50%にも届いておらず、この数字は諸外国と比較すると最低ランクの数字であるとのデータがあるほどです。

参照:Expedia「有休消化率3年ぶりに最下位に!有給休暇国際比較調査2016」
https://welove.expedia.co.jp/infographics/holiday-deprivation2016/

このたびの働き方改革において、こうした年次有給休暇の取得に関わる現状打破が目指されることとなりそうです。「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」では、下記の通り明記されています。

‘使用者は、年次有給休暇の日数が十日以上の労働者に対し、年次有給休暇のうち五日については、年次有給休暇の付与後、一年以内の期間に時季を定めることにより与えなければならないものとすること。'

‘各労働者の年次有給休暇の取得状況を確実に把握するため、使用者は、年次有給休暇の管理簿を作成しなければならないものとすることを厚生労働省令で定めることとする。'

参照:労働政策審議会「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」7ページ
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11201250-Roudoukijunkyoku-Roudoujoukenseisakuka/0000177551.pdf

今後、使用者に課せられるのは、年次有給休暇に関わる労働者の「年5日消化義務」と「管理簿を用いた取得状況の把握義務」です。もちろん、現段階においては法案成立に至っていませんが、年次有給休暇取得率の目標についてはすでに「第4次男女共同参画基本計画」において、「平成32年までに70%とする」旨が明記されています。ゆくゆくは対応することになる義務として、把握されておくことをお勧めします。

【有給休暇の買い上げや取得手続き等、今一度確認したい有給休暇のルール】

労働者に対する有給取得の奨励を進めるのに先駆けて、まずは有給休暇に関わる社内ルールを今一度、整備してみましょう。ひょっとしたら、誤った運用をされているケースもあるかもしれません。

≪有給休暇の取得手続き≫
労働者の権利である有給休暇は、法律上、会社の承諾を得ることなく、前日までに申し出ることで自由に取得できることになっています。ただし、労働者に突然休まれることで業務に支障をきたすことが考えられる場合、会社は事前の届出をさせることができます。

事前届け出の期限をどの程度に想定するかは会社に依りますが、「1週間前」「2週間前」「1ヶ月前」といったケースが多いようです。

加えて、「長期間にわたる有給申請の場合の申出期限」「突発的な取得の際の手続き」「計画的付与」「半日もしくは時間単位の取得」については、通常の例とは別に定めていることがほとんどかと思います。

御社における有給取得手続きは、どのようになっているでしょうか?適正に機能しているか、必要な規定が盛り込まれているか等を見直しましょう。

≪有給休暇の買い上げ≫
なかなか進まぬ有給消化の打開策として、「買い上げ」を制度として設けている会社は少なくありません。しかしながら、有給休暇の買い上げは、下記の例外を除いて原則として認められません。

◇法定の付与日数を超える部分の買い上げ
◇退職までに消化できなかった部分の買い上げ
◇時効により権利が消滅してしまった部分の買い上げ

上記の例外に該当するケースでも、大原則は「適切に消化してもらうこと」です。「そんなの理想。現場ではなかなか難しいよ」というお声もあろうかと思いますが、今後見込まれる有給取得の義務化を想定し、今のうちから、実際に有給取得が進むような業務体制や職場環境の整備を検討しておく必要があります。

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