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掲載日:2017-12-06

残業代請求が「最大過去5年間」まで可能に?

すでに新聞等でご存じの方も多いかもしれませんが、現状2年間で時効を迎える残業代請求が、今後は最大過去5年にさかのぼってできるようになる可能性があります。

【法務省は2020年の改正法施行に向け、準備を進める】

現在報じられている内容はまだ確定したものではなく、あくまで検討段階にある事柄です。厚生労働省は2017年内にも有識者や学識経験者らによる検討会を設置。話し合いを進め、2018年夏の労働政策審議会にて労使を交えた具体的な議論を行っていく予定です。

労働政策審議会において法改正の必要性や内容が固まれば、2019年に法案提出、2020年施行の運びとなります。現在検討されている「時間外労働の上限規制」や「高度プロフェッショナル制度導入」「有給休暇取得の義務化」等の労働基準法改正の目標が2020年とされていることから、併せて未払い賃金請求に関わる時効の見直しも行おうということのようです。

参照:
日本経済新聞電子版「未払い賃金請求、最長5年に サービス残業抑制へ検討」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23658740Y7A111C1MM8000/
首相官邸「2020年までの目標と達成に向けた施策」
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/koyoutaiwa/working/dai4/siryou1.pdf

【現状でも、過去2年間より以前の未払賃金支払請求が認められた判例も!】

ところで、現在の未払賃金支払い請求の時効は「2年」となっています。この「2年」は労働基準法第115条によって定められている数字ですが、未払賃金請求の現場では「3年」という期間もキーワードとなっています。

この「3年」というのは、民事法上の不法行為および債務不履行による損害賠償請求権の時効に由来するものです。会社が意図的に労働時間の把握をしないことによって適切な賃金支払がされない場合、「不法行為による損害賠償」として未払賃金の請求が可能です。実際に、過去「3年」分の未払残業代の支払いが命じられた判例もあります(杉本商事事件・広島高裁平成19年9月4日)。

【今一度見直したい、労働時間管理の徹底】

現状、労働基準法の改正は決定されたものではありません。しかし、法改正の有無にかかわらず、事業主としていい加減な状態で放置しておくわけにはいかないでしょう。

連合総研の調査によると、残業手当が支給される立場で今年9月に所定外労働を行った人の31.5%が「残業手当の未申告(賃金不払い残業)がある」と回答し、不払い残業時間の平均は 18.0時間であることが明らかになりました。加えて、なぜ申告しなかったかについては「申告する際に、自分自身で調整したから」と回答した人は全体の70.5%。このうち「働いた時間どおり申告しづらい雰囲気だから(32.5%)」、「申告する際に、上司から調整するように言われたから(19.5%)」との回答が挙がっています。

参照:連合総研『第34回 勤労者短観「勤労者の仕事と暮らしに関するアンケート調査」』
http://www.rengo-soken.or.jp/pdf/working201710_2.pdf

たとえ1日30分程度のサービス残業だったとしても、それが5年間となれば一人当たりおよそ95万円です(残業代単価1,500円の場合)。こうした従業員数が20名近くいたとするなら、実に2000万円近くの支払が必要になる、というわけです。

御社の労働時間管理の状況は、いかがでしょうか?今一度、適正な管理がされているかどうかを確認し、必要に応じて軌道修正をされることをお勧めします。

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