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掲載日:2017-12-13

労働関係助成金の割増が受けられる「生産性要件」とは?

平成29年度は、労働関係助成金の支給要件にいくつもの変更がありました。その中でも、とりわけ注目されているのが「生産性要件を満たしたことによる支給額の割増」です。今号では、割増対象となる“助成金の種類"と“その要件"について、ご紹介することにしましょう。

【生産性向上によって割増される10の助成金】

労働生産性の向上は、ますます人手不足が深刻化していく中で、企業が追求すべき重要課題です。こうした背景を鑑み、今年度より労働関係助成金の受給を目指す過程において、「従業員の能力開発や業務効率化」「働きやすさの改革」等に取り組み、実際に成果を出した企業に対する助成金の割増支給がされることになりました。

生産性要件を満たしたことにより割増が受けられるのは、以下10の助成金です。割増額等の詳細は、各助成金のパンフレットよりご確認いただけます。

<再就職支援関係>
1. 労働移動支援助成金
(早期雇入れ支援コース、人材育成支援コース、移籍人材育成支援コース、中途採用拡大コース)

<雇入れ関係>
2. 地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)

<雇用環境の整備関係>
3. 職場定着支援助成金
(雇用管理制度助成コース、介護福祉機器助成コース、保育労働者雇用管理制度助成コース、介護労働者雇用管理制度助成コース)
4. 人事評価改善等助成金
5. 建設労働者確保育成助成金
(認定訓練コース、技能実習コース、雇用管理制度助成コース、登録基幹技能者の処遇向上支援助成コース、若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース、女性専用作業員施設設置助成コース)
6. 65歳超雇用推進助成金
(高年齢者雇用環境整備支援コース、高年齢者無期雇用転換コース)

<仕事と家庭の両立関係>
7. 両立支援等助成金
(出生時両立支援コース、介護離職防止支援コース、育児休業等支援コース、再雇用者評価処遇コース、女性活躍加速化コース)

<キャリアアップ・人材育成関係>
8. キャリアアップ助成金
(正社員化コース、人材育成コース、賃金規定等改定コース、諸手当制度共通化コース、選択的適用拡大導入時処遇改善コース、短時間労働者労働時間延長コース)
9. 人材開発支援助成金
(特定訓練コース、一般訓練コース、キャリア形成支援制度導入コース、職業能力検定制度導入コース)

<最低賃金引き上げ関係>
10. 業務改善助成金

出典:厚生労働省「労働生産性を向上させた事業所は労働関係助成金が割増されます」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000137393.html

比較的多くの事業所に利用される「キャリアアップ助成金」の各コースについても対象となっています。上記助成金の活用を検討している場合には、後述する「生産性の向上」に関する基準についても併せて確認し、可能性を検討されてみてはいかがでしょうか?

【基準は、直近の会計年度における生産性が「3年度前に比べて6%以上伸びていること」】

各助成金の割増対象となる生産性要件の基準は、

助成金の支給申請を行う直近の会計年度における「生産性」が、
○その3年度前に比べて6%以上伸びていること
または、
○その3年度前に比べて1%以上(6%未満)伸びていること(ただし、金融機関から一定の「事業性評価」を得ている場合に限る)
のいずれかに該当する場合です。

ここでいう「生産性」とは下記の計算式により算出されます。なお、生産性要件の算定の対象となった期間に“事業主都合による離職者を発生させていないこと"も必須となりますので注意が必要です。

(営業利益+人件費+減価償却費+動産・不動産賃借料+租税公課)÷雇用保険被保険者数

上記の計算式のみでは少々分かりづらいですが、算出の際に役立つ「生産性要件算定シート」のダウンロード先や、各項目の説明が記載されたリーフレットが公開されていますので、ご確認ください。

参考:厚生労働省「労働生産性を向上させた事業所は労働関係助成金が割増されます」
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000159251.pdf

【今後、企業の助成金申請は「社労士と税理士の共同事業」に】

労働関係助成金の専門家といえば社会保険労務士です。しかし今年度から「生産性要件による割増」が導入されたことにより、今後は企業の会計情報に精通する税理士等との連携が不可欠となります。今号でご紹介した内容は事務所の助成金申請のみならず、顧客企業への新たな提案の際にも役立つ情報です。ぜひ、お役立てください。

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