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掲載日:2018-01-24

平成30年度から協会けんぽの保険料率にインセンティブ制度が導入されます

協会けんぽでは平成30年度より、加入者・事業主の取り組みによって保険料率に差をつける「インセンティブ制度」の開始が決定しました。協会けんぽの保険料率は都道府県ごとに決められており、現状でも地域に応じて差があります。その上で、今後さらに格差が拡大する可能性があります。さっそく、現段階で判明している制度概要を確認していきましょう。

【後期高齢者医療制度への拠出金をベースに、取り組み・実績に応じた報奨金によるインセンティブを付与】

インセンティブ制度の対象となるのは、「後期高齢者支援金に係る保険料率」です。

後期高齢者支援金については現状、国保・被用者保険の全保険者について「特定健診・保健指導の実施率」のみによる評価指標により、支援金負担の加算・減算が行われています。しかし平成30年度より、評価指標を「特定健診・保健指導や予防・健康づくり」といった広範な取り組みに拡大し、実施率の高い保険者に対する支援金の減算(インセンティブ)をより重視する、新たな加算減算制度に変更されます。

【出典】厚生労働省「後期高齢者支援金の加算・減算の見直しについて(健保組合・共済組合の保険者インセンティブ関係)」
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000163140.pdf

新制度では、母体となる企業等がその従業員を加入者として設立した保険者という点で共通の基盤を持つ「健康保険組合と共済組合のみを対象」とし、協会けんぽについては、事業所が協会に強制加入しているものであって保険者としての性質が異なることから対象外とされました。

しかしながら、日本再興戦略改定2015での決定を受け、協会けんぽについては前述の加算・減算制度の対象外としながらも、支部ごとの予防健康づくりへの努力に応じ、後期高齢者支援金に差を設ける形でのインセンティブ制度が適用されることとなり、平成30年度の取り組み分から将来の保険料率に反映されることになりました。

【出典】厚生労働省「後期高齢者支援金の加算・減算の見直しについて(健保組合・共済組合の保険者インセンティブ関係)」
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000163140.pdf
※資料では、平成27年度までの制度が「現行制度」と表記されています

現状、協会けんぽでは、後期高齢者支援金の負担は各都道府県で一律同率となっています。この点、今後は下記の通り変更されることになります。

〇新たに全支部の後期高齢者支援金に係る保険料率の中に、インセンティブ制度(報奨金)の財源となる保険料率(0.01%)を設定する
※ただし、制度導入に伴う激変緩和措置として、この新たな負担分については、下記の通り、3年間で段階的に導入されることとなります
平成30年度(平成32年度保険料率):0.004%
平成31年度(平成33年度保険料率):0.007%
平成32年度(平成34年度保険料率):0.01%

〇評価指標に基づき全支部をランキング付けし、ランキングで上位過半数に該当した支部については、支部ごとの得点数に応じた報奨金によって段階的な保険料率の引下げが行われる

【評価指標及び実績の算出基準とは?】

保険料率決定のカギを握る評価指標や実績については、下記の5つの観点より判断されます。

1.特定健診等の受診率
2.特定保健指導の実施率
3.特定保健指導対象者の減少率
4.医療機関への受診勧奨を受けた要治療者の医療機関受診率
5.後発医薬品の使用割合

上記についてはすでに具体的な実績算出案が出されていますが、本格実施に向けて支部ごとの地域的事情や、指標ごとの結果のばらつきも踏まえた素点の上限値・下限値設定の必要性等についてさらに検討されることとなります。

協会けんぽに加入する企業を顧客に持つ事務所であれば、本号でご紹介した保険料率に関わるインセンティブ制度について、概要を正しく把握しておかれることをおすすめします。

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