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掲載日:2018-01-31

平成30年4月1日よりキャリアアップ助成金が変わります

有期契約労働者のキャリアアップに役立つ「キャリアアップ助成金」は、平成30年度以降、若干のルール変更が予定されています。さっそく、その概要をご紹介することにしましょう。

※本稿記載の内容は、平成30年度予算の成立及び雇用保険法施行規則の改正が前提となっています。そのため、今後、変更される可能性があることにご注意ください。

【平成30年度以降のキャリアアップ助成金(正社員化コース)に関わる3つの変更点】

有期契約労働者の正社員等転換に活用できる「正社員化コース」は、4月以降の転換分について、下記3点が変更予定です。転換条件に関わる大きな変更を含みますので、もれなくご確認ください。

■1年度1事業所あたりの支給申請上限人数が「15人→20人」へ拡充
■正規雇用等へ転換した際、転換前の6ヶ月と転換後の6ヶ月の賃金(※)を比較して、5%以上増額していること
■有期契約労働者からの転換の場合、対象労働者が転換前に事業主で雇用されていた期間が3年以下に限ること
参考:厚生労働省「平成30年度以降のキャリアアップ助成金について~ 拡充などの主な変更(予定)のご案内 ~」
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000190443.pdf

平成29年度までの申請では、「正社員転換に伴う賃金増額」は、絶対条件ではありません(ただし、「無期雇用」ではなくあくまで「正規雇用」と判断されるべき要件が必要です)。ところが、4月1日以降の転換分においては、すべての転換パターンにおいて「転換前の6ヶ月と転換後の6ヶ月の賃金を比較して、5%以上増額すること」が必須となる予定です。

ここでいう「賃金」とは、基本給だけでなく、「賞与(就業規則又は労働協約に支給時期及び支給対象者が明記されている場合)」や「諸手当(通勤手当、固定残業代を含む時間外労働手当、休日出勤に対する休日手当及び本人の営業成績等に応じて支払われる歩合給などは除く)」の総額を指します。

3つ目の要件に関しては、新たに追加される条件となりますので、ご注意ください。平成30年度以降の転換では、いわゆるベテランは対象外となり、あくまで「雇い入れから3年以内の有期契約労働者」が適用対象となります。

【「正社員化コース」以外も要確認!キャリアアップ助成金に生じる「整理統合」「加算措置追加」】

平成30年度以降、変更となるのは「正社員化コース」だけではありません。「人材育成」「賃金規定等共通化」「諸手当制度共通化」の各コースにも、それぞれ確認しておくべき変更点が生じる予定です。

人材育成コース → 「人材開発支援助成金」に統合
参考:厚生労働省「人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html
※平成30年3月31日までに訓練計画届の提出がなされている場合には、現在のキャリアアップ助成金(人材育成コース)として支給申請できます

賃金規定等共通化コース → 2人目以降の対象労働者について、新たに「人数に応じた加算措置」を適用
・中小企業・・・対象労働者1人あたり2万円(2万4000円)
・中小企業以外・・・対象労働者1人あたり1万5000円(1万8000円)
※( )内の数字は、生産性要件を満たした場合の加算額
※上限20名まで

諸手当制度共通化コース → 新たに「人数」と「手当の数」に応じた加算措置を適用
1.2人目以降の対象労働者について、「人数に応じた加算措置」を適用します
 ・中小企業:対象労働者1人あたり1万5000万円(1万8000円)
 ・中小企業以外:対象労働者1人あたり1万2000円(1万4000円)
2.2つ目以降の対象手当について、「手当の数に応じた加算措置」を適用します
 ・中小企業・・・諸手当の数1つあたり16万円(19万2000円)
 ・中小企業以外・・・諸手当の数1つあたり12万円(14万4000円)
※( )内の数字は、生産性要件を満たした場合の加算額
※「人数に応じた加算措置」は上限20名まで

出典:厚生労働省「平成30年度以降のキャリアアップ助成金について~ 拡充などの主な変更(予定)のご案内 ~」
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000190443.pdf

【「知らなかった」で不支給にならないために!】

繰り返しになりますが、今号でご紹介した内容は、平成30年4月1日以降の転換等の取組みに対して適用されるものです。例えば正社員化コースの場合、すでにキャリアアップ計画の認定を受けており、平成30年3月31日(平成29年度中)までに転換させたのであれば、支給申請自体が4月1日(平成30年度)以降となる場合でも適用を受けません。

雇用関係助成金については、毎年、年度の初めに大幅に変更されることがあります。今号では「キャリアアップ助成金」に関わる速報をご紹介しましたが、もちろん、その他の助成金についても最新情報の収集に努める必要があります。助成金を確実に受給するためには、「正確な情報を把握すること」「マニュアルの要件・手順遵守で取組みを進めること」「期日を守ること」が不可欠ですが、こうしたプロセスが多くの中小企業にとって高いハードルとなります。「ついうっかり…・」「知らなかった…」で、せっかくの取組みが助成金の対象外とされるケースは多く見られます。極力、社会保険労務士との協働によって、確実に助成金受給へとコマを進められる様にするのが得策です。

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