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掲載日:2018-03-28

税理士事務所・会計事務所も知っておくべき!「特定労働者派遣事業」から改正後の「労働者派遣事業」への切替手続き(2)

前回は届出制の「特定労働者派遣事業」から許可制に一本化された「労働者派遣事業」への切り替え手続きについて、税理士事務所・会計事務所が知っておくべきポイントを解説しました。

では、そもそも許可制の「一般労働者派遣事業」で業務を行っていた場合には、どのような手続きが必要になるのでしょうか?本稿では「一般」からの法改正対応について、ご紹介します。

【有効期間内は、現在の許可で引き続き労働者派遣事業を営むことが可能】

平成30年9月30日を以て廃止される特定労働者派遣事業とは異なり、すでに「一般労働者派遣事業」の許可を取得した上で派遣業を営んでいる場合には、新たな許可申請を急ぐ必要はありません。現在の許可の有効期間内であれば、労働者派遣事業を継続して行えます。

法改正対応としての許可切り替えのため、新規に許可申請をするタイミングは「有効期間満了の3ヶ月前」が目安です。ただし、法改正によって従来の一般労働者派遣事業とは求められる内容が異なっています。キャリア形成支援制度など、新たに対応することになった項目については早めに確認し、検討しておく必要があります。

参考:厚生労働省マニュアル「許可基準」
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000133882.pdf

【「事業報告」では、キャリア形成支援への対応状況の報告が求められます】

新規の許可申請については急務ではないとはいえ、毎年6月中に提出が求められる労働者派遣事業報告書『年度報告、6月1日現在の状況報告』では、法改正後に追加された「キャリアコンサルティング」及び「キャリアアップに資する教育訓練」に係る報告も併せて行わなければなりません。この部分への対応は、すでに平成27年9月30日付で派遣元事業主の義務として課せられています。

■ キャリアコンサルティング
事業主は希望するすべての派遣社員に対し、キャリアコンサルティングの機会を設けなければなりません。「担当者(経験または知見を有する者)の選任」「相談窓口の開設」「タイミング」「方法」等を検討し、派遣労働者が実際に利用しやすい体制を整えておく必要があります。

■ キャリアアップに資する教育訓練
入職時から3年目までは少なくとも毎年1回以上、年8時間以上の実施を義務とし、その後もキャリアパスに応じた訓練を定期に実施しなければなりません。キャリア形成支援計画やキャリアアップに資する教育訓練を検討する際には、従来であれば臨時的雇用にとどまる派遣社員の長期的なキャリア形成にあえて着目し、
・どのような教育を提供するのが良いのか
・その教育がどのような観点から、派遣社員のキャリア形成に有効なのか
をしっかり検討し、現実的に実現可能な範囲で計画するのが得策です。

「決まりだから」と、とりあえず計画のみを仕上げたり、できそうもない計画を作り上げたりすることには意味がありません。せっかく取り組むのであれば前向きな姿勢で、効果的なキャリア形成プランを策定するのが良いでしょう。

派遣事業に係る事業報告が6月中ということもあり、今後、税理士事務所や会計事務所宛てにも「どのように対応したらよいか」という顧客からの問い合わせがあるかもしれません。その際には、本稿で解説した内容をご説明いただいた上で、必要に応じて社会保険労務士へのご相談をお勧めいただけますと幸いです。

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