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掲載日:2018-04-11

雇用関係助成金の受給をご検討であれば、「離職理由」にご注意ください

雇用関係助成金の支給要件のひとつに、「従業員の離職」に関わる確認事項があります。これは、雇用関係助成金が“雇用安定"の観点から支給されるものであることを大前提としたとき、“雇用安定"の趣旨に反する離職を不支給要件として扱うのが自然な流れであるためです。雇用関係助成金の申請において、NGとなる離職理由とタイミングを正しく理解しておきましょう。

【「会社都合退職」は原則、不支給要件に該当します】

まずは申請を検討中の雇用関係助成金について、事業主に関わる要件を確認しましょう。いくつか要件が列挙されているもののうち、「従業員の離職理由」についての記載を見つけることができます。例えば、キャリアアップ助成金の支給要件には下記の記載があります。

「当該転換日の前日から起算して6ヶ月前の日から1年を経過する日までの間に、当該転換を行った適用事業所において、雇用保険被保険者を解雇等事業主の都合により離職させた事業主以外の者であること。」

キーワードは「事業主の都合により離職させた事業主以外の者」です。この記載は大半の雇用関係助成金の事業主要件に見つけることができます。しかしながら「会社(事業主)都合退職」にはいくつか種類があるため、実際にどのようなケースが不支給要件に該当するのかを正しく把握しておく必要があります。

代表的な例としては、「解雇」に該当する離職です。
× 会社の経営不振、倒産等で一方的な労働契約の解除
× 事業所単位で1ヶ月に30人以上の離職予定、もしくは会社の3分の1を超える人の離職
× リストラ等による解雇
× 早期希望退職者の募集による退職
× 退職勧奨
※従業員の責めに帰する「懲戒解雇」に該当するものは自己都合退職扱いとなり、雇用関係助成金の不支給要件には該当しません。

【「特定受給資格者」にも、「会社(事業主)都合退職」に該当する場合が…】

会社が従業員との労働契約を一方的に解除する「解雇」。あるいは実質的に会社都合の人員整理に該当する「退職勧奨」「早期退職者募集」等。これらが「会社(事業主)都合退職」とみなされることは比較的容易にイメージできるかと思います。ところが、会社があくまで「自己都合退職」と扱う離職の中でも、雇用保険上「特定受給資格者」に該当するケースで、その離職者が「事業所の雇用保険被保険者の6%を超え、かつ4人以上発生する場合」には助成金の不支給要件に該当します。

「特定受給資格者」の定義については、ハローワークインターネットサービスにて列挙されています。一例としては、

・労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と著しく相違したことにより離職した者
・賃金が、当該労働者に支払われていた賃金に比べて85%未満に低下した(又は低下することとなった)ため離職した者
※当該労働者が低下の事実について予見し得なかった場合に限る
・事業主が労働者の職種転換等に際して、当該労働者の職業生活の継続のために必要な配慮を行っていないため離職した者
・期間の定めのある労働契約の更新により3年以上 引き続き雇用されるに至った場合において当該労働契約が更新されないこととなったことにより離職した者
・パワハラやセクハラを受けたことにより離職した者
・事業所において使用者の責めに帰すべき事由により行われた休業が、引き続き3ヶ月以上となったことにより離職した者
等が挙げられます。

上記は労働者から退職届が提出され、会社は「自己都合退職」として認識している場合であっても、その退職理由が会社(事業主)の責めに帰すべき内容であることから、雇用保険上「会社都合退職」として処理されます。

参考:ハローワークインターネットサービス「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」
https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_range.html

「特定受給資格者」による助成金不支給については、その数が一定の数字以上となる場合に該当することとなるため、実態として多く見られる不支給要件とは言い難いかもしれません。ただし、助成金申請を検討中の事業主様であれば、このあたりも正しく把握しておく必要があります。

【不正受給へのペナルティが強化されています】

助成金支給申請に影響を与える解雇等は、原則「支給申請日の前後6ヶ月(計1年間)」に生じたものです。この期間内に解雇等が生じてしまうからといって、従業員側に働きかけて無理やり「自己都合退職」として処理する会社を見かけることがありますが、これは不正受給に該当します。

不正受給にはペナルティがあり、「以降3年間の助成金申請禁止」「社名公表」等の対象となります。最近では、不正受給に関わる取り締まりが強化されているので、「ばれなければ良い」と安易に考えるのは厳禁です。

参考:東京労働局「不正受給の公表について」
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/var/rev0/0146/4940/fusei_leafret.pdf

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