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掲載日:2017-02-01

「株主リストの添付が義務化」「預貯金とマイナンバー」

経営・財務 2017年1月号(2)

登記悪用の違法行為が後を絶たず

 株主総会議事録を偽造して、役員になりすまして役員変更登記をしたり、本人承諾のない取締役就任登記をしたりして、会社財産を処分するなど、法人登記を悪用した犯罪や違法行為が後を絶たないようです。
 それで、本年10月1日からの法人登記に際しては、「株主リスト」の添付が要求されるようになりました。

商業登記規則等の改正により

 株式会社・投資法人・特定目的会社の登記の申請では、
(1) 登記すべき事項につき株主全員の同意(種類株主全員の同意)を要する場合
(2) 登記すべき事項につき株主総会の決議(種類株主総会の決議)を要する場合には、株主リスト提出が要件とされました。株主総会決議を省略する場合にも株主リストの添付は必要です。

株主リストの記載事項

 添付株主リストには、議決権数上位10名以上又は議決権割合合計が3分の2以上の株主に係る次の事項を記載します。
(1) 株主の氏名又は名称
(2) 住所
(3) 株式数
(4) 議決権数
(5) 議決権数割合
(6) 以上に関する代表者の証明
(ただし、全株主同意を要する登記では、(5)は不要です。)
 本年10月1日前の株主総会であっても、その日以降の登記申請では、株主リストの添付が必要です。種類株式発行会社の場合は、上記(3)は、「種類株式の種類及び数」となり ます。

別表(二)を代用できる

 法務省のホームページでは、株主リストの書式例・記載例を公表するとともに、企業側の負担を考慮し、同族会社等判定明細書(A)や有価証券報告書の「大株主の状況の欄」(B)などの既存書類を利用できるとしています。(A)というのは、法人税申告書の別表(二)のことです。上記(1)~(5)の記載が完全で、そこに代表者の証明がなされれば、要件を具備した書面になります。
 なお、3分の2以上要件の判定に同族関係者の保有株式の合計が必要ですが、別表(二)は同族グループ毎に付番することになっているので、そのままで判定要件具備のようです。

預貯金のマイナンバー管理

 平成27年8月のマイナンバー法改正に伴い、国税通則法を改正し、銀行等に対し、マイナンバーによって検索できる状態で預貯金情報を管理する義務を課す、としました。ただし、9月9日に改正公布されていますが、3年内施行ということで、まだ施行はされていません。

現在ある預貯金口座とマイナンバー

 銀行が個人の顧客に支払う利子の課税については、源泉分離課税で課税が終了することから、利子支払調書の提出が免除されており、銀行等の預金口座に関しマイナンバーを付す必要性も法的根拠もありません。
 それで、預金口座へのマイナンバー付番の根拠として、マネーロンダリング対策や、預金保険機構による預金者救済などでの名寄せ、災害時の迅速な対応といった場面で必要だから、との建前を出して、平成30年以降は口座への付番を預金者の任意の協力の下でできることに法制化しました。

改正通則法の付番管理

 税務当局には質問検査権があり、金融機関に対し従来より、過去数年間の預貯金情報の照会をしており、マイナンバー付番があれば、そのマイナンバーにより名寄せした情報の開示を金融機関に対して行うことは今後とも可能なところです。
 ところが、金融機関等をあまり信用していないのか、対応に不満があるのか、金融機関からの迅速・的確な回答を確保し、税務調査における預貯金調査の効率性を高める観点から、金融機関に対して、マイナンバーに紐付けて預貯金口座に関する情報を管理するという義務を課すこととしました。冒頭の改正法です。

マイナンバー告知強制があるかも

 預貯金者は金融機関から、保有する預貯金口座について、マイナンバーの告知を求められることが予想されますが、預貯金者における金融機関に対するマイナンバーの告知は、義務ではなく、あくまで任意です。

付番促進検討は3年後

 なお、預貯金口座へのマイナンバーの付番が進まないことも考え得るところですが、今般の番号改正法の附則において、本制度施行から3年後の見直し規定が設けられており、その時点で付番の状況等を踏まえ、更なる付番の促進に向けた施策の検討を行うこととされています。

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