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掲載日:2018-07-04

中小企業における春闘賃上げ総平均は「4,805円」で昨年比1.91%増

今春の春闘を受け、先日「2018年春季労使交渉・中小企業業種別回答状況(第1回集計)」が日本経済団体連合会(経団連)より公開されました。中小企業において働き方改革が進められる中、労働者に対する処遇改善の方向性は、いずれの事業所においても重要な指標のひとつとなります。今号では、とりわけ重視される「賃金」について、中小企業の動向を確認することにしましょう。

【中小企業における、2018年平均賃金引上げ率の詳細】

経団連が集計した「2018年春季労使交渉・中小企業業種別回答状況(第1回集計)」は、従業員数500人未満の17業種741社のうち、集計可能な17業種223社の回答結果をまとめたものです。

参照:経団連「2018年春季労使交渉・中小企業業種別回答状況」
http://www.keidanren.or.jp/policy/2018/046.pdf

今回の結果をみると、製造業では5,121円(賃上げ率2.00%)で昨年実績マイナス124円、一方で非製造業では4,323円(賃上げ率1.78%)で昨年実績プラス582円となっています。総平均は4,805円(賃上げ率1.91%)で、昨年実績プラス110円です。政府が「3%賃上げ」を提唱する中、中小企業の現場においては未だ目標達成は困難な状況であることが分かります。

【そもそも春闘とは?】

春闘とは、賃金引上げや労働条件の改善を求めて行われる労働運動を指します。日本では、多くの企業が会計年度を4月1日から翌3月31日としていることから、新年度直前の2~3月にかけての時期に、労働組合が中心となって労働条件に関し要求・交渉を行うことが慣例となっています。正式名称は「春季生活闘争」です。

参考: 日本労働組合総連合会「春闘(春季生活闘争)」
https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/roudou/shuntou/

まずは大手の製造業が労働条件や賃金ベースの方向性を決定し、その後に大手の非製造業、続いて中小企業の順に交渉が行われます。

今号でご紹介したのはあくまで「賃金引上げ」に関する情報ですが、春闘では賃金引上げと併せて、労働時間や女性活躍、両立支援、雇用安定などの観点での処遇改善も目指されています。労働者の処遇改善を検討する際には、賃金以外の観点での取り組みにも着目し、総合的な「働きやすさ」の実現を目指していくことが大切です。

参考: 日本労働組合総連合会「労働条件に関する2018春季生活闘争および通年の要求・取り組み件数」
https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/roudou/shuntou/2018/yokyu_kaito/yokyu/torikumi.pdf

【中小企業における平均賃金引上げと最低賃金の関係性】

今回のテーマとは少し離れますが、中小企業における賃金引上げを考える上では、春闘の動向のみならず「最低賃金の改定状況」も重要な指標となることでしょう。政府は「全国平均1,000円」の目標に向け、2018年度も20円超の引上げ実行する見込みです。最終的な決定はまだ先ですが、中小企業においてはこうした動きにいち早く注目し、必要に応じて賃金見直しを開始する必要があります。

参考:日本経済新聞「最低賃金、20円超上げへ 3年連続」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32012960Q8A620C1EA2000/

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