
USCPA(米国公認会計士)は正式名称をUnited States Certified Public Accountantと言い、米国における公認会計士を指します。
USCPA資格保有者は国際会計基準の知識や語学力を身につけているとして、日本国内でも徐々に注目を集めている資格です。
そこで本記事では、USCPAの業務内容や試験の概要、取得の魅力等についてまとめました。
USCPAを具体的に知りたい人は、ぜひ本記事を参考にしてください。

USCPA(米国公認会計士)とは?
USCPA米国公認会計士とは、米国における公認会計士です。
その名のとおり米国で通用するライセンスですが、国際的な取引が恒常的に行われる昨今では米国内だけでなく世界中から注目されています。
日本国内でも需要は高く、就職や転職、昇給等に有利になると言われており、キャリアアップを目指す多くの人が挑戦しています。なお日本国内でも受験可能です。
米国各州が認定する公認会計士資格
USCPAは、米国各州会計士委員会が認定します。そのため州ごとに受験資格やライセンスが異なります。
USCPAとして働けるのは、ライセンスを取得した米国州とMRA(国際相互承認協定)参加国です。
<2026年2月現在におけるMRA参加国>
・南アフリカ
・オーストラリア
・ニュージーランド
・カナダ
・アイルランド
・メキシコ
参照:NASBA 相互承認協定
上記のとおり日本はMRAに参加していないため、USCPAの資格を取得しても日本国内では公認会計士と名乗れません。公認会計士試験を別途受験する必要がありますのでご注意ください。
USCPAの業務内容
USCPAは日本の公認会計士とは若干異なる業務を行います。
具体的には高い英語力と米国会計の知識を駆使して、国際的な業務を担うことになります。
■米国法律に基づく税務申告
USCPAの最も主となる業務です。
日本とアメリカでは税務申告の時期や内容が大きく異なり、日本の税法知識だけでは対応できないため、国際会計を身につけたUSCPAが対応することになります。
グローバル展開する法人や海外投資を行う個人等の税務申告業務等がこれにあたります。
■国際会計業務
日本会計基準と米国会計基準、国際会計基準の違いを理解している人材として、USCPAが業務にあたります。
外資系企業や海外進出を果たした日本企業は、日本会計基準ではなく米国会計基準や国際会計基準を採用しています。そこで外資系企業の経理職として働くUSCPAも少なくありません。
たとえば「のれん償却」は、日本会計基準では可能ですが、米国会計基準や国際会計基準では不可とされています。このような違いを学習しているUSCPAは、グローバル企業にとって必要不可欠な人材なのです。
■英文の財務諸表を用いる業務
米国会計基準または国際会計基準に従い、英文の財務諸表の作成や作成された財務諸表の監査業務等を行います。
日本の多くの企業では日本会計基準が採用されていますが、米国会計基準や国際会計基準に則り財務諸表を作成することも認められています。
従って日本国内においても米国会計基準で財務諸表を作成したり、その監査を依頼されたりするのです。
ただし日本において監査業務は公認会計士の独占業務ですので、監査報告書への署名はできません。
■経営コンサルティング
主にM&Aや海外進出サポート、海外子会社の不正調査、事業再生等を行います。
現地での調査や経営アドバイスを実施することになるため、海外出張や現地法人とのコミュニケーションが必須です。
ただし資料作成や調査等の一部業務に関しては海外出張せずに行える範囲もありますので、業務内容を限定すれば日本国内で働くことも可能です。
日本の公認会計士との違い
USCPAは日本の公認会計士とは異なります。ここでは業務範囲と受験資格などの違いを見てみましょう。
■業務範囲
USCPAの資格では日本国内において監査(補佐)業務に従事することはできますが、監査調書に署名はできません。これはUSCPAが日本国内における公認会計士とは認められないためです。
しかし資格試験の学習に伴い身につけた英語力や米国会計の知識は十分に活かせるため、米国会計の知識を必要とするグローバル企業の経理職やコンサルタント業務、監査法人のパートナーとして国際系業務に携わることができるでしょう。
■受験制限・資格
日本の公認会計士試験に受験資格はありません。年齢や性別、国籍等を問わず誰でも受験できます。
一方でUSCPAは、各州が定めた受験資格を満たす必要があります。
比較的受験資格が易しいのはアラスカ州で、「4年制大学の学位(学士)」「会計15単位」で受験可能です。
アラスカ州を含め日本の大学の学位を受験資格として認めている州は多いので、受験資格が不足している場合はひとまず国内の大学卒業を目指しましょう。
USCPA資格保有者の主な活躍場所

USCPA保有者は、国内外を問わず様々な職場で活躍しています。
■外資系企業の経理
日本に拠点を置く外資系企業で経理職として働きます。
外資系企業等で働く場合、日本の会計知識だけでは務まりません。母国の会計についても実務レベルで知っておく必要があります。そのため国際会計基準を身につけたUSCPA保有者が選ばれるのです。
外資系企業では、英語を社内公用語に採用していることも多いため、試験勉強中に身につけた英語力を生かせるという点でも最適な職場と言えるでしょう。
■海外部門/海外子会社のある会社
海外部門や子会社を有する日本企業で国際会計を担当します。
日本国内だけでなく、場合によっては海外赴任となることもあるでしょう。
公認会計士資格を取得しておくと、国内外で活躍できる人材として重宝されます。
■会計事務所
米国会計の知識と語学力を生かして国際税務に携わります。
税務業務だけでなくコンサルティングや税務アドバイスができるとより活躍の場も広がり、税理士資格や公認会計士資格を取得しておくとより高く評価されるでしょう。
一般的に、中小会計事務所よりも大手会計事務所での求人が多い傾向があります。
■監査法人
海外部門等を持つ企業の監査補助や海外進出のサポート等を行います。
通常の会計処理よりも高度な業務を求められることから、キャリアアップを目指したい人に選ばれている職場です。
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■コンサルティング会社
日本に進出する外資系企業や海外子会社等に対して、税務・会計コンサルティングを提供します。
難易度の高い業務になりますが、スケールが大きくやりがいのある仕事に取り組めます。
USCPAの将来性
現在の日本では公認会計士として働けませんが、それでもUSCPAは非常に将来性のある資格です。
公認会計士とは名乗れないものの監査書類への署名以外の業務は可能であり、会計知識と英語力のスキルが客観的に証明できるので、監査法人や外資系企業等で高く評価されます。
また日本においてUSCPA資格取得者はそれほど多くはありません。つまり希少な人材だということです。合格すれば連結決算や国際会計等の高度な案件に携わる機会も増え、より重宝されることでしょう。
AIにより仕事が無くなると危惧される声もありますが、AIが得意とする業務は計算や分析等であり、経営コンサルティングのようなハイレベルな業務は任せられません。USCPAは今後ますます需要が高まる資格なのです。
USCPAの平均年収
USCPAの年収は就職先や役職によって変動します。
国際会計の専門知識と英語力を兼ね備えたUSCPA保有者は、外資系企業・監査法人・コンサルティング会社のいずれにおいても高い評価を受けており、キャリアを積むにつれて年収が大幅に上がりやすい傾向にあります。以下では、主な就職先別に初任給と役職別の年収目安を解説します。
外資系企業や日本の海外子会社
外資系企業や、海外展開を積極的に行う日系グローバル企業の経理・財務部門は、USCPAが最も高く評価されやすい職場のひとつです。業績連動型の賃金体系が多く、成果を出すほど年収が上がる環境が整っています。
■初任給
外資系企業・海外子会社へ入社した場合の初任給(スタッフ・アナリストクラス)は、おおむね400〜600万円程度が目安です。企業の規模・業種・ポジションによって幅がありますが、同等スキルの日系企業と比較すると高めの水準となることが多いです。
■役職別の年収相場
マネージャークラスに昇進すると700~1,000万円以上を目指せるポジションも多く、ディレクターや部門責任者クラスになれば1,500〜2,000万円以上の報酬例も珍しくありません。外資系企業ではパフォーマンスボーナスや株式報酬が加わる場合があり、実質的な総報酬はさらに高くなることがあります。
監査法人
監査法人(特にBig4)はUSCPAが活躍しやすい代表的な職場です。グローバル企業・外資系企業をクライアントとして持つことが多く、英語力と国際会計基準の知識が直接業務に活かせます。昇進ステップが明確で、長期的なキャリア形成がしやすいのも特徴です。
■初任給
監査法人のスタッフ・アシスタントクラスの初任給は、500〜700万円程度が一般的な目安です。Big4(有限責任あずさ監査法人・EY新日本有限責任監査法人・有限責任監査法人トーマツ・PwC Japan有限責任監査法人)ではこの水準が業界の基準となっており、中規模監査法人は若干低めとなる場合があります。
■役職別の年収相場
シニアスタッフは700〜900万円前後、マネージャー・シニアマネージャークラスになると1,000〜1,200万円程度が見込まれます。さらにパートナー(社員)に昇格すれば2,000〜3,000万円以上の年収も実現可能です。役職に関係なく一定の昇給ステップが設けられているため、計画的にキャリアを積みやすいのも魅力です。
コンサルティング会社
コンサルティング会社(FAS系・外資系コンサルなど)もUSCPA保有者が活躍しやすいフィールドです。M&Aや事業再生、国際税務コンサルティングなど、高度かつやりがいのある業務を担います。成果主義の傾向が強く、実力次第で早期に高収入を得られる可能性があります。
■初任給
コンサルティング会社のアナリスト・アソシエイトクラスの初任給は500〜700万円程度が目安です。外資系戦略コンサルやFAS(財務アドバイザリーサービス)系大手では、700万円台からスタートするケースもあります。
■役職別の年収相場
シニアアソシエイト・コンサルタントクラス(経験2〜4年)は700〜1,000万円前後、マネージャークラスでは1,000〜1,500万円程度を見込めます。シニアマネージャー・ディレクタークラスになれば1,500万円以上も珍しくなく、外資系大手コンサルのパートナーレベルに到達すると2,000〜3,000万円以上の報酬例も存在します。なお、コンサルティング業界は業績ボーナスの変動幅が大きい点に注意が必要です。
USCPAの資格を取得するメリット

USCPAの資格取得には膨大な学習時間と少なくない受験料が必要になります。
それでも取得する人が後を絶たないのは、魅力的なメリットを享受できるためです。
専門性が高くキャリアアップに役立つ
USCPA合格者は国際会計を身につけたハイレベルな人材であると評価されます。
そのため国際的な高度な案件も担当できるようになりますし、キャリアアップや転職にも有利に働きます。
また試験内容にはITの基礎知識も含まれるため、IT系の知識も身につきます。
複合的なスキルを持つ人材はどのような職場でも求められるものです。USCPA試験を通じて国際会計・英語力・ITといった様々なスキルを身につけ、人材としての価値を高めましょう。
グローバルに活躍できる
USCPAは日本国内の公認会計士とは認められないものの、アメリカを含む一部の国では公認会計士として認められ、その国での会計・監査業務に携われます。
英語力の証明にもなりますので、ビジネスの場でも自信を持って業務遂行ができるでしょう。
世界を股にかけてグローバルに活躍したい人は、ぜひUSCPAに挑戦してください。
英語の能力が証明できる
USCPAの合格により、ビジネスで通用する英語力が証明できます。
USCPAの試験は全て英語で実施されます。リーディングの選択式問題が中心ですがライティングの問題も出題されるため「読み書き」の両方が必要です。
当然ですが一般的な英単語だけでなく専門的な会計用語や法律用語等も出題分に含まれます。
つまりUSCPAに合格したならば、合格できるだけの英語力を有している証明としても使えるのです。
USCPAの資格取得までの流れ

本文USCPAの資格取得には「出願する州の決定」「出願」「受験」「合格後にライセンス申請」を行う必要があります。テキストが入ります
1.出願する州を決め学歴評価を受ける
USCPA試験の申込窓口は「全米50州と準州」に分かれており、州ごとに受験資格とライセンス申請資格が異なります。
出願する州が異なっても試験自体は同じですので、学歴や経験、実務経験等に応じて最も有利になる州を選択してください。
例えば、受験資格の学歴要件が比較的易しいのはアラスカ州ですが、日本在住の日本人でもライセンス申請しやすいのはワシントン州やグアムなど、州ごとの特徴もあります。
出願する州を決めたら、卒業した大学や短大から英文の成績証明書と卒業証明書を取り寄せ、学歴審査機関へ送付します。
1ヶ月半〜3ヶ月程度で審査結果が出て、出願州の事務局に直送されます。
学歴検査の結果、単位が足りなければ追加で単位を取得します。USCPA専門のスクールで単位を取得する人が多いようです。
2.出願
提出書類が出願州に届き、審査完了の連絡が届いたら出願します。
申請書と成績証明書等の必要書類を送付し、出願手数料を払いましょう。
なお出願時には受験する科目を選択します。
4科目全てを出願・受験することも可能ですが、試験期間に有効期限が定められていることと初回の受験票送付まで最大8週間程度かかることから、多くの受験生は初回の受験では1〜2科目のみ受験しているようです。
3.受験
受験票がメールで届いたら、有効期間内にテストセンターを予約します。
一部の州では追加料金を支払うと東京・大阪のテストセンターでも受験できるようになります。
テストセンターは土日も含めて毎日受験可能です。ただし休日はすぐに埋まってしまうので、早めに予約しましょう。
試験当日にはNotice to Schedule (NTS)と呼ばれる受験票と身分証明書を持参します。
試験は各科目4時間ずつで、全てパソコン上で実施されます。
不合格であっても再受験料を支払えば、すぐに再受験を申し込めますのでご安心ください。
4.ライセンス申請/取得
USCPAとして仕事をするには、USCPAの試験合格後にライセンス申請を行う必要があります。
実務経験等の申請要件が必要となることもありますので、ライセンス取得は全科目合格から3年以内を目安に行いましょう。
ライセンス申請が比較的容易なグアムを例に、以下に必要な条件を記載しております。。
<グアムでのライセンス申請条件>
1)USCPA全科目合格(どの州で出願していてもOK)
2)実務経験が1年(2000時間)以上(パートでもOK)
3)大学の学位+総合単位120単位+会計学24単位+ビジネス関連科目24単位(原則として出願時に満たしている必要がある)
米国居住要件や州内での実務経験要件なしで申請できることから、日本在住の受験者や自分の職種では監査経験を必要としていない場合にはグアム等での申請も適しています。
ただしUSCPAのライセンスを取得しても日本国内で公認会計士としては働けません。またライセンスが必要となる国内での業務は少ないため、合格してもライセンスを取得しないという人もいるようです。
USCPA試験について

USCPA試験の具体的な内容について説明いたします。
日本の公認会計士試験よりも難易度は低いと言われていますが、全文英語であることを踏まえると難関資格に分類できるでしょう。
なお、USCPAは2024年1月に試験制度の変更されました。試験科目の構成などが変更になっていますので、受験される際はご注意ください。
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試験内容
USCPA試験は全米統一試験で、どの州に出願しても同じ内容を受験することになります。
2024年1月からCPA Evolutionが導入され、試験は「CORE科目(必須科目)3科目」と「Disciplines科目(選択科目)」(3科目から1科目選択)の計4科目構成に変更されました。
■CORE科目
AUD(監査と証明:Auditing and Attestation)
FAR(財務会計と報告:Financial Accounting and Reporting)
REG(諸法規:Taxation and Regulation)
■Disciplines科目(以下より1科目選択)
BAR(ビジネス分析と報告:Business Analysis and Reporting)
ISC(情報システムと統制:Information Systems and Controls)
TCP(税法遵守と税務計画:Tax Compliance and Planning)
各科目の試験時間は4時間ずつ合計16時間で、99点満点中75点以上が合格点となります。
試験はすべて英語で、日本語での受験はできません。また出題内容にはITの基礎知識も含まれます。
なお、2024年の改訂により記述式問題(Written Communication)は廃止され、選択式問題(MCQ)と事例形式問題(TBS)が中心となりました。
各科目の特徴
2024年1月より開始したCPA Evolutionでは、試験は必須コア3科目と選択ディシプリン1科目の計4科目体制となりました。各科目の特徴と最新の2025年累計合格率をご紹介します。
1つずつ特徴や出題範囲等を見てみましょう。
合格率は米国公認会計士協会(AICPA)を参照しています。
【CORE科目(必須科目)】
1.監査と証明(AUD:Auditing and Attestation)
特徴:監査手続き・内部統制・職業倫理など幅広い知識が求められます。奇問は少ないものの、曖昧な選択肢が多いため英語での精緻な読解力と概念の正確な理解が試される科目です。2024年から2025年にかけてわずかに合格率が回復傾向にあります。
出題範囲:監査や職業倫理等
2025年度の合格率:48.21%(2024年45.79%)
2.財務会計(FAR:Financial Accounting and Reporting)
特徴:4科目の中で最もボリュームが大きく、難易度も高い科目です。企業会計・政府会計・非営利組織会計を幅広くカバーします。簿記1級・税理士・日本の公認会計士等の会計系資格の知識があると有利な場面もありますが、米国会計基準やIFRS特有の論点もしっかり押さえる必要があります。BARと並んで最難関科目に位置づけられており、十分な学習時間の確保が合格の鍵となります。
出題範囲:企業会計・政府と非営利組織会計等
2025年度の合格率:42.12%(2024年39.59%)
3.諸法規(REG:Taxation and Regulation)
特徴:連邦税法・ビジネス法・職業倫理と出題範囲は広いものの、コア3科目の中では最も合格率が高く、特に税法実務経験がある方は取り組みやすいとされています。CPA Evolution移行後、難易度の高い税務論点の多くがTCPへ移行したことも合格率上昇の一因です。2025年も安定した高い合格率を維持しています。
出題範囲:連邦税法やビジネス法、職業倫理等
2025年度の合格率:63.12%(2024年62.61%)
【Disciplines科目】
(選択科目)以下より1科目選択
4.ビジネス分析と報告(BAR:Business Analysis and Reporting)
特徴:財務報告・管理会計・財務分析など高度な内容が問われます。2024年は累計合格率が40%を大きく下回りましたが、2025年は約42%まで回復しました。FAR合格後に選択するとスムーズに取り組めるため、財務・ファイナンス系キャリアを目指す方に向いています。
出題範囲:財務報告・ビジネス分析・管理会計等
2025年度の合格率:約41.94%(2024年38.08%)
5.情報システムと統制(ISC:Information Systems and Controls)
特徴:ITガバナンス・サイバーセキュリティなどを中心に、情報システムに関する専門知識が問われます。IT・情報セキュリティ系の実務経験がある方には取り組みやすい科目です。合格率は、2024年初頭の約58%から2025年には約68%まで上昇しています。
出題範囲:情報システム・ITガバナンス・サイバーセキュリティ等
2025年度の合格率67.79%(2024年58.00%)
6.税法遵守と税務計画(TCP:Tax Compliance and Planning)
特徴:税務コンプライアンスと税務計画を扱います。全科目中最も合格率が高く、2025年も約78%の水準を安定して維持しています。高い合格率の背景には、TCPを選択する受験者の多くがREG合格者であり内容の親和性が高いこと、税務実務経験を持つ受験者が多いことが挙げられます。税務コンサルタントや国際税務を目指す方には特に有力な選択肢です。
出題範囲:個人・法人の連邦税法・税務コンプライアンス・税務計画・国際課税等
2025年度の合格率:77.65%(2024年73.91%)
出典: 米国公認会計士協会(AICPA)
USCPA試験の受験にかかる学習時間と勉強方法
USCPA試験に合格するには、体系的な学習計画と十分な勉強時間の確保が欠かせません。ここでは必要な学習時間の目安と効果的な勉強方法、取り組み上のポイントを解説します。
学習時間
USCPA試験の合格に必要な学習時間は、一般的に1,000〜1,500時間が目安とされています。英語力と会計知識のベースによって大きく異なるため、ご自身のスキルを考慮してスケジュールを立てることが大切です。
■英語力・会計知識別の目安時間
・TOEIC 800点以上かつ会計実務経験あり:1,000時間前後
・TOEIC 600〜800点程度・会計知識あり(簿記2級程度):1,200〜1,300時間
・英語・会計ともに初学者:1,500時間以上
社会人が仕事と両立しながら学習する場合、平日1〜2時間・休日5〜6時間のペースで確保すると、週あたり約20時間の学習時間を積み上げることができます。この場合、1,000時間到達に約50週(約1年)かかる計算となります。
勉強方法
■専門スクールを活用する
日本国内の主なUSCPA対策スクールには、アビタス、CPA会計学院、資格の学校TACなどがあります。これらのスクールでは出題傾向に絞ったオリジナル教材やオンライン講義が提供されており、スキマ時間を活用した効率的な学習が可能です。
■MCQ(選択式問題)の反復練習
USCPA試験は選択式問題と事例形式問題で構成されており、選択式問題の正答率を安定的に高めることが合格への鍵です。テキストのインプット後は、選択式問題を繰り返し解いて「なぜその解答が正しいのか」を英語で理解する習慣をつけましょう。選択式問題の正答率が80〜85%に達したら、事例形式問題への移行タイミングの目安となります。
■スキマ時間を活用する
多忙な社会人にとって、まとまった学習時間の確保は難しいケースもあります。通勤時間・昼休み・移動中などのスキマ時間に学習アプリや音声教材を活用して、少しずつ知識を積み上げることが有効です。学習記録アプリを使って進捗を可視化すると、モチベーション維持にも役立ちます。
■語力の強化と並行学習
試験はすべて英語で出題されます。会計用語は日常英語と異なるため、テキストを読み進める中で会計英語に慣れる姿勢が大切です。TOEIC対策のような総合的な英語学習よりも、USCPA試験に頻出する英単語・フレーズに重点を置くことで、効率よく試験英語をマスターできます。
取り組む際のポイント
■科目の受験順序を計画的に決める
多くの合格者がFARを最初に受験することを推奨しています。FARは最もボリュームが大きい科目ですが、早期に合格することで学習リズムが整い、その後の科目に活用できる知識基盤を構築できます。次にAUDやREGを組み合わせ、最後に選択科目を受験するパターンが一般的です。
■科目合格の有効期限(ローリングルール)を意識したスケジュール管理
旧試験制度では「最初の科目合格から18ヶ月以内に全科目合格」が原則でしたが、2024年のCPA Evolutionへの移行に伴い、NASBAのモデルルール改正(2023年4月)を受けて、多くの州が有効期限を30ヶ月(または36ヶ月)に延長しています。
日本人受験者が多く出願する主要州の有効期限は以下のとおりです(スコアリリース日を起算日とします)。
グアム:スコアリリースより30ヶ月
ワシントン州:スコアリリースより36ヶ月(ただし一切の延長申請不可)
アラスカ州:スコアリリースより30ヶ月
ニューヨーク州:スコアリリースより30ヶ月
モンタナ州:スコアリリースより30ヶ月
※2026年2月時点
有効期限が延長されたことで以前より余裕が生まれましたが、期限が長くなること自体が合格を容易にするわけではありません。出願州ごとにルールが異なるため、必ず自身の出願州の最新情報をNASBAまたは各州会計委員会の公式サイトで確認してください。社会人受験生は繁忙期や受験タイミングを逆算しながら、余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。
■既存の知識・資格を最大限に活かす
日商簿記1級・税理士・日本の公認会計士などの資格を持つ方は、会計に対する事前知識があるためFAR・REGの学習時間を大幅に短縮できる場合があります。一方で、米国会計基準(US-GAAP)やIFRS特有の論点は改めて学習する必要があるため、既存知識の強みと弱みを把握した上でメリハリをつけて学習を進めましょう。
■合格後のキャリアを意識して選択科目を選ぶ
ディシプリン科目(BAR・ISC・TCP)は、合格率だけでなく自身のキャリアプランや得意分野に応じて選ぶことが重要です。監査・財務分析寄りのキャリアを目指すならBAR、IT・情報セキュリティに強みを持つならISC、税務専門家を志すならTCPが適した選択肢となるでしょう。
USCPAの資格取得が向いている人

USCPAは国際的な公認会計士資格です。
そのためグローバルな仕事や専門性の高い業務に就きたい人に向いています。
グローバルなキャリアを描きたい人
日本の公認会計士は日本国内のみで通用する資格です。
そのため仕事内容は日本国内での税務業務や監査業務に限定されます。
その点USCPAは国際的な資格ですので、グローバル企業や外資系企業等で重宝されます。
他国に進出する企業は大企業が多いので、必然的に業務範囲も大きなものとなり、グローバルでスケールの大きな仕事に携われることになります。
英語力を生かした仕事をしたい人
USCPAは試験内容が全て英語ですので、高度な英語力が試されます。そのためUSCPA合格は、ビジネスシーンで通用するハイレベルな英語力の裏付けにもなるのです。
国際会計や連結決算等といった実務の際に英語力は必須ですから、国内外でビジネスを行う大企業を中心に高い評価が得られます。
国内公認会計士と差別化を図り、専門性を上げたい人
USCPAは公認会計士にはない「国際会計の知識」と「高度な英語力」を備えています。
専門性を上げて国内の公認会計士との差別化を図りながら、グローバル化が進む現代において国内外問わず活躍を目指す人にも有利な資格と言えるでしょう。
USCPAで国際会計基準を身につけ、世界中で通用する人材になりましょう。
現に公認会計士や経理職として働きながらUSCPAを取得する人は少なくありません。
よくある質問
Q. USCPAと日本の公認会計士、どちらが難しいですか?
A.一般的には日本の公認会計士試験の方が難易度が高いと言われています。日本の公認会計士試験の合格率は例年7〜10%前後と非常に低い水準です。一方、USCPA試験の全受験者における合格率は科目によって異なりますが、約42〜78%(2025年実績)となっています。ただし、USCPAは試験が全て英語で行われる点と、英語・会計の基礎知識が必要な点を考慮すると、日本人にとっては決して簡単な試験ではありません。社会人が仕事と両立しながら合格を目指す場合、1,000〜1,500時間の学習が必要とされています。
Q. 日本にいながらUSCPA試験を受験できますか?
A.はい、可能です。一部の州ではプロメトリック社のテストセンター(東京・大阪)での受験が認められています。ただし、州によっては海外での受験に追加料金が発生する場合があります。出願手続きや学歴審査はオンライン・郵送で対応できますので、渡航なしで受験準備から合格までを日本国内で完結することが可能です。
Q.どの州に出願すればよいですか?
A.出願州の選択は受験資格・ライセンス申請要件・海外在住条件などを考慮して決めます。日本在住者に人気の州としては、受験資格要件が比較的緩やかなアラスカ州(会計15単位・学士号)や、日本在住のままライセンス申請がしやすいワシントン州・グアムなどが挙げられます。ご自身の学歴・単位・経験要件と照らし合わせて、専門スクールのカウンセラーや各州の試験委員会に相談するとよいでしょう。
Q. USCPAを取得しても日本では公認会計士として働けないのですか?
A.日本国内においてUSCPAの資格は、日本の公認会計士と同等の資格とは認められていません。そのため、日本国内での監査報告書への署名等、日本の公認会計士法に基づく独占業務を行うことはできません。ただし、USCPA合格に伴い身につけた英語力・米国会計基準・国際会計基準の知識は、監査法人・外資系企業・コンサルティング会社等で高く評価されます。グローバルなキャリアを目指す上では大きな武器となる資格です。
まとめ

グローバル化が急速に進む現代において、米国会計基準や国際会計基準に強いUSCPAはなくてはならない存在です。
受験条件を含めて試験突破は簡単ではありませんが、合格すれば国際間取引を含めたハイレベルな業務が遂行できる人材として重宝されます。
キャリアパスを増やして活躍の場を広げたいと考えた際に、USCPAの資格取得も手段の一つとして検討してみるのはいかがでしょうか。
